1週間ぶりに利用者さん宅を訪問をすると
「よかったー来てくれた!」
むちゃくちゃ喜ばれた。
・・・何かありましたか?
「特になにもないけど・・・。今は外にも出られへんし、毎日毎日テレビばっかり見てるやろ。そしたら毎日毎日コロナばっかりで、怖いニュースばっかりで!」
一人暮らしの利用者さんには話し相手もない。
家にこもってテレビだけを見て過ごしている。
「そうするとな、昔のことばっかりが思い出されるんや。そんな昔のこと、小さいことって、他人さんは思うやろ。自分でもスッパリ忘れたつもりやったのに。
それやのに、コロナのニュース見ているうちにだんだん思い出されて、昔の小さいトゲみたいなことが、頭のなかでぶわぶわーっと大きなってきてしもうて」
・・・コロナ鬱である。
私は仕事を始める前に、庭にでて利用者さんと一緒に空を見た。花を見た。カエルを見つけた。
利用者さんは言った。
「非常事態宣言が出たからな、あんたらも来ないと思っててん」
そんな、まさか。
介護には関係ないですよ。
コロナ怖いから来んといてーって言われないかぎり、ヘルパーは伺いますよ。
「そうなんか。よかった」
利用者さんはやっと笑った。
コロナウィルス感染を予防するために、介護サービスの利用を控える人が増えている。現に我が家も控えている。それは当然なことだし必要だと思う。だが、やっぱり必要な人もいる。身体介護でなくても、たとえば掃除など命に直結した介護ではなくても。一人暮らしの高齢者にとって
「助けに来てくれる人がいる」
ということは、とても大きいと思う。仕事内容は掃除だけど、私たちは掃除だけをしに行くんじゃないから。