デイサービスの天使

スポンサーリンク

うちのデイサービスの利用者さんは皆さん優しい方ばっかりだ。いつも和気あいあいと過ごしておられる。
中でもお一人、とくにありがたい利用者さんがいらっしゃる。
利用者さんだけど、認知症だけど、「影のヘルパー」と呼ばれているNさん。

Nさんは、体調のわるそうな人を見つけると、そっと教えてくれる。
足元の危ない方のそばについて見守ってくれる。
レクでは率先して盛り上げてくれる。
利用者さんの間でケンカが始まりそうになると、さりげなく話をそらしたり、笑いに変えたりしてくれる。
スタッフが困っているとすぐ手を貸してくれるし、失敗したら慰めてくれる。
ヘルパーというよりほぼ天使である。

今日も認知症の利用者さんが
「なんでこんなに何でも忘れてしまうんやろう」
と落ち込んでいると、Nさんがこう言って話しかけていた。

「あなたもなの? ああ、ホッとした! 私だけかと思った。私もね、家では子供に『オカンはなんでもすぐに忘れる!』って怒られてばかりなのよ。でもここへ来るとね、皆さん同じでしょう? だから私、嬉しいの。安心するわあ。」

にこにこするNさんの言葉に、その利用者さんも
「みんな同じかあ、そう言われると私もほっとするわ」
と微笑み返していた。
天使効果はすごいと思った。
私もこんなふうに年を重ねたい。無理だけど。

Nさんがお休みの日は、利用者さんはもちろん、私たちスタッフも寂しくて寂しくて
「Nさん早く帰ってきてー!」
ばかり言っている。
もういっそのことスタッフとしてお給料払って毎日来てもらおうかな?

本日の猫写真。

・・・寝入りばなを起こされたサンジ君。

タイトルとURLをコピーしました