失敗しても、仕方がない

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私は基本的に介護のマニュアル本は読まない。ネットの介護相談みたいなコーナーもあんまり読まない。だってさあ…疲れてる時に読むとよけいに疲れてしまうから。

介護は人それぞれだ。被介護者の状態や障害の程度も違えば性格も違う。家族や住宅の環境も、経済状況も違う。そりゃあ「似ている」人はいるけれど、似ているだけでみんな違うのだ。十人いれば十とおり、百人いれば百とおり、1万人いれば1万とおりの介護があるんじゃないかなあ。

だから介護のプロが
「こうするべき!」
とマニュアルを作っても、すべての人に当てはまるわけじゃない(制度上のことなら別だけど)。うちはダメだろうなあ、逆効果だなあ、と思うことも多々ある。「こういう考え方もあるよ」くらいならいいんだけど「べき」は苦手だ。

ネットの介護相談もコーナーそう。ぜんぜん知らない人だし、ネットだから細かいことはわからないのにとつい思ってしまう。

以前、こんな相談を見かけた。

「認知症のおばあちゃんの介護でもう限界です。家族は疲弊しています。施設に入ってほしいけど順番待ちだし本人は拒否しています。どうしたらいいですか」

それに対する回答は、

「家族が疲れてしまうのは良くない。ヘルパーさんを雇えばどうですか? だんだん慣れるものですよ」

詳細を書いてない相談者にも非があるけれど、介護に疲れきり困り果てている人がこの回答を見たら、イラッとするんじゃないだろうか。

家族が疲れてしまうは良くない? そんなん誰でもわかってるわ! 好きで疲れてるわけじゃない。ヘルパーはもちろん入れてるよ!? でも肝心の夜は来てくれないやん! ぎりぎりまで制度をつかって、工夫して、ケアマネに相談して、家族会議をかさねて、それでもどうにもならないから困ってるんだよ。だんだん慣れるもの? 本人が拒否しまくる状態でどうやって慣れろというんだー!

・・・まあ、こんな感じで。

もちろん、こんなザックリした回答をする人は一部だし、優しい言葉をかける人のほうがずっと多いのだろうけれど。ネットって難しいなあと思う。

人生に正解がないように、介護にも正解はない。後悔がぜんぜん無い介護も、きっと存在しないだろう。人の心にマニュアルがないように、介護にも完全なマニュアルなんてない(施設さんはあるのかもしれないけど)。

Twitterなどで、在宅介護者がよく
「失敗した」
「間違えた」
「また怒っちゃった」
などなど落ちこんでいる呟きを見かける。
・・・みんな同じだと思う。だって正解がないのだから。
みんな薄い暗がりの中を手探りで歩いている。私も失敗するし怒っちゃうし落ち込むこともある。

介護という薄暗がりの中で見えてくるのは、他の道を歩いている人の影だ。こっちにも道がある。こんな道を歩いている人もいる。こんな方法もある。見渡せばたくさんの道がある。それらは参考になるかもしれないし、ならないかもしれない。自分の歩いている道は唯一無二のものだから、どこへたどり着くのかは、歩いてみないとわからない。

些細な失敗は仕方がないし、誰でも間違えることもあるし、怒っちゃうのも自然なことだと、私は思う。その失敗は次の成功につながるかもしれない。2回も間違えたら、もう間違えない確率が高い。イライラしちゃうのは私が悪いんじゃない。やり方が悪いか体調が悪いか、なにか他に原因がある・・・そう、思うようにしている。些細な失敗で済まないのが怖いところなんだけども!

ところで、めっちゃどうでもいい話なんですけど私が最近イライラした話を聞いてください。

このあいだフードコートに行ったら天ぷら屋さんができていました。平日だったので5人くらいしか並んでいませんでした。すぐ順番がくるだろうと思っていました。
なのに!
25分、かかりました。
25分、ずっと並んでたんです。5人しか客いなかったのに。

イライラしすぎると逆に笑う

店員さんは2人だけなのに、1人のバイト君がむちゃくちゃ動きが悪いんです。仕事を覚えてないせいだけじゃなくて、遅い。のろい。ゆっくりなんです。デイサービスの90歳の利用者さんのほうがよっぽどテキパキ動くわ。
あー、イライラしたー!

コメント

  1. そうですね、介護も1つとして同じはありませんから、たとえ介護経験の方のアドバイスだとしても役に立つとは限らないですね。
    家族が壁に当たりながら模索して1番いいと思える方法に出会えるまでが大変かな?とも思います。
    ドックカフェに行った時オーナー様がおっしゃってました。お客様が沢山押しかけただけでパニックになる店員さん、後ろに目がないというか2つ以上をうまくこなせない人って居るから自分の物差しで測っちゃいけないのですよねって、2つ持たせると1つを落とす旦那が居るので妙に納得しました。
    (笑)

    • そうですねえ、若いバイト君も目が一つしかついてないタイプなんでしょうね。
      実質ワンオペだったのでもうひとりの店員さんが気の毒でした。本気で手伝いたかったです…
      慣れたら早くなるのかなあ。仕事って大変…。

      私は介護で壁に当たったとき、経験豊富な方のアドバイスで一番役に立ったのは、制度上の知識とか、介護用品とか人脈(業者さんとか)を紹介してもらったことでした。でも大した壁にはまだ当たってないんでこれからなのかな…