先日、「高齢者が詐欺師や悪徳業者にカモられる事例」という記事を書いた。
認知症の有無に関係なく、水道業者のボッタクリなど悪質商法に引っかかり、何十万とむしりとられて泣いている高齢者が後を絶たない。
どうしたら防げるのか?
どう対処すればいいのか?
消費者センターに話を聞きにいった。
水道業者のボッタクリ被害を防ぐために
「トイレが詰まって流れない! どうしよう!」
修理業者を探さねばならないが、頼むアテがない。そんなとき人は広告を頼る。
マグネット広告とか。
ハローページとか。
インターネット広告とか。
派手な宣伝広告を目にすると
「テレビで見たことがある。大手なら安心だろう」
「ネットの口コミが良いから安心」
という心理も働く。
けれど考えてみてほしい。マグネットを配ったり、テレビCMを流すには多額の費用がかかる。派手な広告を打っているのはそれだけ儲けている証拠なのだ。
もちろんすべてが悪い業者とは限らない。だが大儲けしている業者の中には「濡れ手で粟」で稼ぐ悪いやつらが少なからず混じっている。
そして、悪いやつらって、ネットの口コミを操作するくらい簡単だ。
では業者はどうやって探せばいいか?
消費者センターの答えは
「水道局のお客様センターに電話をください」
自治体によって異なるが、うちの市の場合は水道の検針票や広報にお客様センターの電話番号が載っている。分からない場合は市役所にかければ教えてもらえるようだ。
水道局のお客様センターが業者を斡旋してくれるわけではないが、「市の指定業者」をいくつか教えてくれる。そこだと100%安全!という保証はないが、少なくともマグネット広告業者よりは安心だということだ。
消費生活センター
悪いやつに狙われていると思ったら、まずは消費生活センターに相談してみよう。
泣き寝入りしてはいけない。
電話番号は、局番なしの「188」。
「188」にかければ、近くの消費者センターにつながるようになっている。
お金を払う前でも、払っちゃった後でも、業者と揉めている真っ最中でも、「どうしよう!」と思ったら「188」に電話をして助けを求めることだ。相談するのはタダである。(電話料金はかかる)
もちろん、消費生活センターに直接かけてもOKだ。
全国の消費生活センター一覧
http://www.kokusen.go.jp/map/index.html
被害にあってしまった場合の対処法
1)水道業者の場合
水道業者に電話して、トイレ詰まりの解消を依頼した。ところが業者は、便器を取り外したあとで「排水管ヒビが入っている」といって他の部分も修理、高額な料金を請求された。
まず一番に、その場で料金を支払ってはいけない。
「クレジットカードで払えます」とか言ってくるけど、あくまでも「振り込み用紙を送ってくれ」と言おう。工事がまだなら、応急処置のみをお願いして、一旦帰ってもらおう。
頼んだのはあくまでも「トイレ詰まりの解消」のみだから、勝手にべつの部分を修理されたとしても支払う必要はないそうだ(見てないところで意図的に傷をつける業者もいたとか)。
揉めたら消費者センターに相談しよう。便器をはずした状態で脅されたら、その場で電話をかければいい。契約書の類は大事にとっておこう。
2)リサイクルショップの押し買い
「着物を買い取りますよ」
と電話をかけてきた業者に来てもらったら、
「着物はいらない、貴金属はありませんか」
と上がりこんで帰らない。怖いので貴金属を出してきたら、100円玉ひとつ置いて帰った。
これも電話で「着物」と言っているのだから「着物」だけ。それ以外の商品に関しては基本的にダメらしい。売買には契約書やクーリングオフの説明が必要だがそれもなく、金額に同意していなかった場合、取り返せるかもしれない。とりあえず188に電話だ。
3)新聞契約のトラブル
契約した覚えのない新聞が配達されるようになった。店舗に連絡すると
「5年前にご主人が契約した。契約書もある」
という。主人は去年亡くなったし、5年前はすでに認知症だったのに。
契約書があるのかーそれじゃしょうがないなー。
と、諦めてはいけない。
新聞公正取引協議会によれば、新聞販売には、
『解約に応じるべき場合』
というルールが明文化されている。
これによれば
「相手方の判断力が不足している状態で契約したとき(認知症の方など)」
は不適切な契約であるとされている。
また、高額の景品(2~3千円以上)は規約違反である。もし高額景品をもらった証拠などがあれば、それを理由に契約解消できる可能性がある。
現在、流行中のハガキ詐欺
最後に、急増中の振り込め詐欺をご紹介しよう。
「裁判所からハガキが送られてきた! 私、起訴されるの?」
このようなハガキが送られてくるそうだ。
「あなたは訴えられています。このままだと裁判になります」
という内容。
『訴訟』という言葉にドキッとする。法務局とかも書いてある。なんだか怖い。本物っぽい。「最終期日」は…えええ、明日? 大変なことになった。よく読めば「裁判取り下げ」「お客様相談センター」と書いてあるぞ。ここに電話して相談すれば取り下げてもらえるんだろう。急がなくちゃ!
と電話したら「今日中に●万円払えば訴訟を取り下げられます」といわれ、振り込まされるのだそうだ。この手の詐欺も昔からある。文面はどんどん進化していくのだろう。
知っておくことの大切さ
2,3軒連続で水道業者のボッタクリ被害の話を聞いたとき、
「トイレ詰まりの修理に30万かかった」
「うちも30万払った」
「うちも」
というのを聞いて、
「もしかして30万が相場なのかな?」
と一瞬だけ思ってしまった。そんなわけがないのだが、相場を知らないと騙されていることにも気づけない。どんな手口があるのか、どう対処すればいいのか。知っておくのは、とても大切なことだ。
たとえ自分自身にふりかかってこなくても、家族や友人や職場の人との会話で
「もしかして騙されてない?」
という話を耳にするかもしれない。そのとき気づくことができれば、誰かを救うことができるかもしれない。それが訪問ヘルパーなら利用者さんを助けられるかもしれない。
コメント
だださん
ディズニーランドを堪能してきましたか? 倒れそうなくらい?
それにしても忙しい中を消費者センターまで行って訊いてきてくださったのですね。
ありがとうございます。
もしトイレが詰まってしまった時は、水道局へ訊けば業者を教えてくれるのですねぇ。
でも、もし、民間事業者に水道事業が委託されるようになったら、どうなっちゃうんでしょう。
新聞の件、私も消費者センターに相談した際、その新聞公正取引協議会のガイドラインに沿って交渉するようにとアドバイスされましたよ。
ディズニーランド、堪能しすぎて倒れそうでした。
というか今もまだ倒れそうなくらい疲れがとれません(笑)
人混みって本当にしんどいですね。
消費者センターへ行ったのはついでがあったのですが、母が入院している今は家では余裕があるんです。
別に水道局でなくても、ちゃんとした会社を紹介してくれるところがあれば、いいんですけどね。
民間になると業者と癒着しまくったりするのかもしれませんが…
新聞の公正取引協議会のガイドラインは法律ではないので強制力はないって言われました。
昔と違って新聞を取る人が減っていますから必死みたいですね。
だだ様、こんにちは。
昨年の夏だったか、私も、車で15分ほどのところに住む母から「トイレが詰まったみたい」と電話がかかってきました。
このまま実家にすっとんでいくと、ワタワタとあわててしまう自分が分かっていたので、まず、家で下調べをしてから、と思い、市の水道局に電話しました。
すると、確か、「契約者様の確認」ということで、母の名前や住所などを聞かれたと思います。
その上で、「菅工事組合(かんこうじくみあい)」というところの電話番号を教えてもらいました。
菅工事組合に電話してみると、組合員である業者さんが、ほどなく派遣されてきました。
トイレの水をじゃーじゃー流している音が聞こえ、30分ほどして、作業は終わりました。特別な部品交換等はなく、出張費込みで3,500円を支払ったと思います。
名刺を渡されたので、母の家の冷蔵庫にマグネットでくっつけて、ほっとして帰って来たのを覚えています。
「菅工事組合」、私の住んでいる埼玉県では、ネットで検索すると、詳しく情報が出てきます。「定款」も載っており、「本協会の信用を落としたもの」等、組合委員の脱退の基準も載っています。
なので、「菅工事組合」覚えていて損は無いと思うのですが、こんなことを書くと、また、「かんこうじくみあい」を名乗るサギが出てくるのですよね。
ですので、だださんが書かれていたように、まず、領収書を見つけて、水道局に電話するのが最善の策でしょう。領収書が見つからない時は、市役所に電話して教えてもらえばよいのですよね……。
しかし、アワキビさんが書かれていましたが、ライフラインである水道の運営を民間業者に任せてしまうなんて………日本の財政はそんなにひっ迫しているのでしょうか⁇⁇………ヤメテほしいです!
管工事組合ですか。初めて聞きました。
すごくお安くて、安全で、いいですね!
水道業者さんの組合なんですね。
残念ながらうちの市にはないようです…。
もし水道が民営化されてもお客様センターみたいなサービスは残ると思いますが安全とはいかないかもしれません。
水道局が教えてくれる業者さんだって100%安全というわけではないのですから。
>菅工事組合」覚えていて損は無いと思うのですが、こんなことを書くと、また、「かんこうじくみあい」を名乗るサギが出てくるのですよね。
そうなんですよね。悪い奴らはどんどん新たな業を編み出してきますから、万全な策というものはないのでしょう。気をつけてこちらも知識をバージョンアップさせていく他はありませんね。