映画『コード・ブルー』で印象的だったセリフ

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立秋をすぎたと知って気候もちょっと考えを改めたのだろうか。今日は久しぶりで涼しかった。動けるうちに遊びにいこう。そういって母と映画を観に行った。

『コード・ブルー』。とてもいい映画だった。救命救急のドラマで、母はTVシリーズも全部みているファンだ。映画を見たあと、母はため息をつきながらこんなことを言った。
「山Pかっこいいねえ、あんなお医者さんがいるんなら、もう病気が治らなくってもいいねえ」
いや、治らんと困るやろ。意味ないやろ。

山下智久はさておき。
ドクターヘリもさておき。
本筋もさておき。

ひとつ印象的な台詞があった。グッとくるというか、在宅介護してる人にはわかっていただけると思う一言。

「たまに会いにくるくらいが、楽でいいよね」

※以下、話の本筋ではありませんが、エピソードのネタバレになります。これからご覧になる方はご注意ください。


これは2人姉妹の姉のセリフだ。姉妹の母親は、重いアルコール依存症にかかり、荒んでいた。そのため妹は家から逃げ出し、姉が一人で母の面倒をみていた。

姉妹はほとんど連絡もとっていなかったが、母親のケガをきっかけに再会。姉は妹に怒りをぶつけた。
「私だって一人になりたかった!」
…ああ、わかる。その気持、わかりすぎるほどに。

若い姉妹の話で母親はアルコール依存だが、誰が介護をするか押し付け合う家族、という意味でしみじみしてしまったのだ。

いろいろあった後、母親は専門施設で治療することになり、姉妹は和解する。
「たまに会いにいってもいい?」
と申し出た妹に対し、姉の答えが件の台詞だ。

姉「たまに会いにくるくらいが、楽でいいよね」

妹「・・・えっ?」
姉「うそうそ(笑)」
わりとサラッと流してるけど、家族の介護をしている皆様にはおわかりいただけるでしょう。この一言が実はどれほど重いか。

たまに、ってあとは全部、私にやらせる気か?
たまに顔みにくるだけで「私も介護してます」みたいなツラされたら逆に頭にくるだろ。
近くに住んでるんならもっと手をかしてくれよ。
手伝えないんなら金を出せよ援助しろよ。
そのくせ母の中では「自慢の娘」になちゃって、いいとこ取りでずるいよ。
たまに会いにくるなんて楽でいいよね。

すごく口わるいけど、こんな感じでしょうか。いやちょっと言い過ぎたかな。姉妹のわだかまりは映画の表で描かれているより根深いなと思える一言でした。
それをぐっと抑え込んだのが、姉の次の台詞。
「ほんとは私も一人になるのが怖かったんだ」
これもつまりは
「私一人に押し付けるなよ、これからは半々だからな?」
という念押しとも取れる。たぶん、映画みている人の大半はそうは見ないんだろうけれど。

もうひとつ、これも姉の言葉ですが、
「家族の絆ってなんだろうね? それで強くなる人もいるだろうけど、私は縛られているだけ」
という台詞にもめっちゃ共感しました。もちろん、それだけじゃないけどね。家族の絆って麗しいばっかりじゃない。

※あくまでも映画の中の登場人物の気持ちの想像です。私自身がそう思っているわけではありませんので悪しからず。

※映画は一度見ただけなので、台詞はうろ覚えです。ファンの方気分を害したらごめんなさい。いろいろ考えてしまうほど、すばらしい演技でございました。


本日の猫写真。

介護ベッドのはしっこで寝てたら、ベッドがウィィィィーンと動きだして斜めになっちゃった。せっかく気持ちよく寝てたのに…という、シシィのふくれっ面。

コメント

  1. だださんはじめまして。
    だださんのブログには、共感することが多く、ときどき、こっそりおじゃましています。

    以前、ある人に、「何人兄弟がいても、介護するのは1人なんですよ。」と言われたことが有ります。
    確かに、周囲の友人知人を見ても、「そうだよね~」と納得させられることが多いです。
    しかも、兄弟との関係も有るから、あまりおおっぴらには愚痴を言えない。せいぜい同じ立場の人と、あるあるネタにするくらい。

    その方のお母様は、「誰が介護するかは子供が選ぶのではなく、親が選ぶのだよ。」とおっしゃっておられたとか。

    う~ん、選んでもらえて、光栄です。

    • 初めまして!
      遊びにきていただいてありがとうございます!
      >何人兄弟がいても、介護するのは1人
      そうですね。
      できる人はだいたい一人なんですよね。
      兄弟が交替で介護をしているお家もありますが、それはそれで難しいみたいですし。
      介護したいのに遠方でできないと言っている方もいました。
      うちの妹も歯がゆい思いをしているのでしょう。
      映画の妹さんみたいに逃げちゃう人もいることは確かですが。
      >「誰が介護するかは子供が選ぶのではなく、親が選ぶのだよ。」
      なるほど!
      選ばれて、嬉しいことですね。
      そのぶんほかの兄弟よりもたくさんの思い出を作ることができるのですから。