訪問介護の仕事はいろいろだ。オムツ交換や入浴介助などの身体介護だけではない。調理や掃除などの生活援助もふくまれる。つまり家事だ。
そんなわけで、その日も私は利用者さん宅で掃除機をかけていた。ぶんぶんぶーん。このあいだから掃除機の調子が悪かったのだけれど今日はなんとか吸っている。30分くらいかけて、あともうちょっとで終わる、というとき・・・
ぽろっ。
掃除機の首がはずれた。
なんの音も衝撃もなく、ごくごく自然に、まるでタバコの先端から灰がこぼれ落ちるような調子で、ほろりと、掃除機のノズル部分がまるごと落ちた。
しばし何が起こったのかわからなかった。接続部分がはずれたのかな、と思って手にとると、プラスチックの断面が見えてしまった。ポッキリ折れている。
「うわあああああ!」
思わず叫んだ。
折れたパイプを握りしめて
「奥さあああああん!」
叫んでいた。
「どうした!ムカデ出た?」
びっくりして飛んできてくださった奥さんに私は告げた。
「掃除機、壊しちゃいましたたああ! ごめんなさいいいいい!」
「あらあらあら。古いやつだし、経年劣化だよ。いいから気にしないで。」
奥様は天使のような微笑みで許してくださった・・・けど。
とくにぶつけたり、引っ張ったり、無理をかけた覚えもない。ただ普通に掃除していただけなのに、なんで壊れるんだろう?
・・・って、私がいつも雑に扱ってたからだろうな。
週1の掃除ってかなりゴミが多いから、必死こいて掃除してたのが悪かったのだろう。もっと優しく扱うべきでした。反省してます。
しかし、まさかこんな折れ方をするものだとは。
あーあ。
本日の猫写真。
オヤジが
「こら、サンジ、膝のうえに乗ってくるな、暑いんだから! どけよ、どけって!」
必死で説得していたのですが、結局どかされたのはオヤジの方でした。
「サンジに椅子とられた・・・」
オヤジはしょんぼりしてタバコを吸いに行ってしまいました。かわいそう。