母がほしいもの

スポンサーリンク

このあいだボーナスが出たとき、母に
「買い物に行こう」
と言ってみた。
いつも母の買い物は、私が一緒に選ぶか、もしくは私ひとりで買ってくる。高次脳機能障害をもつ母はいつも突拍子もないものばかり欲しがるからだ。
でもたまには自由に買いたいだろう。
私が思う「母に必要なもの」じゃなく、母自身が「本当に欲しいもの」を選ぶ買い物をしよう。

・・・と思ったのだけど。
「そんなお金があるのなら、おいしものを食べにいこう」
と母は言った。
「焼き肉だー!」

予算に収まるよう、計算しつくして注文した焼き肉

私も昨日ちょっと具合わるくなっちゃったから、スタミナつけておかなくちゃね。

両親と私と3人で食べまくり、お腹がいっぱいになってそろそろお会計…と思ったそのとき!
「クッパが食べたい」
と母が言いだした。
ええ?
だって、おかーさんもうお腹いっぱいって言ってたやん。
「でも食べたいの!」
今から注文しても食べ切れないよ。
もったいないよ。
また今度にしようよ。
私とオヤジで説得してみたが、きかない。子供みたいに「食べたい食べたい」と言いつづけるばかり。

もともと少食な母は一人前を完食したためしがない。いくら雑炊だといっても、お腹いっぱいの状態から注文するなんて無茶である。そういう判断ができないのも高次脳のせいだ。

そうは思ったんだけど、今日はもともと「母が本当にほしいものを」と出かけたのだ。ほしいものを注文してもらうしかない。

「おいしー!」
クッパを一口食べた母は大喜び。でもやっぱり3口くらいしか食べられなかった。残りは私と、主にオヤジがぜいぜい言いながら平らげた。お腹がはちきれそう!

母が本当にほしかったのは、肉なのか、クッパなのか、それとも家族で外食する時間だったのかな?

帰ってきたら

シシィさんがすねてました。
「もう!みんなどこに行ってたのよ!
 あたしのゴハンは?」