深夜、扉を叩く者たち

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深夜2時。草木も眠る丑三つ時。
家族はみんな眠っている時間。
なのに。
静まり返った家に足音が響いていた。
微かな音だけれど、私は簡易ベッドを部屋のドア付近に広げて寝ているから気がついた。フローリングの廊下をあるく足音に。
・・・ヒタ、ヒタ、ヒタ。
足音がこちらへ近づいてくる。生きた人間のものとは思えない足音。
・・・ヒタ、ヒタ、ヒタ。
足音の主は部屋の前で立ち止まり、ドアを叩いた。
ドン!
ドンドン!
「うるさい!」
私は眠いのでちょっと怒った。
「今あけるから待ってろ!」
「ニャ~」
ドアをあけると猫のサンジがひょっこりと顔をだした。
サンジのノックは体当たりなんだよね。押せば開くとか思ってるんだろうか。

「ほら、早く入りなさい」
だが猫ってやつはすぐには動かない。用心深くあたりを伺っている。まるで目には見えない何かを探しているように。
そのときふいに、気配を感じた。
サンジの背後。
真っ暗な廊下にただよう濃い気配。
闇の中から現れたそれは、攻撃的な勢いで向かってくると、サンジの無防備な背中に襲いかかった。
「ギャッ!」
びっくりして悲鳴をあげるサンジ。
「やめなさい!」
私はまた叱った。
サンジの背中を押しつぶすようにシシィがのっかっていた。

猫たちはそれからギャアギャアとわめきながら、追われたり追いかけたりの鬼ごっこを始め、3時くらいまで暴れていた。
「うるさくて寝られへんやん!」
母がプリプリと怒っていた。

夏の寝相は常にコレ

暑いせいか、猫たちは昼間に寝て、夜遊ぶサイクルができてしまっています。かなり迷惑です…。

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