昨日から、数十年に一度という尋常ならざる大雨が降りつづいている。
我が家は大丈夫な地域だけれど、市内のいたるところに避難勧告や避難指示が発令されており、電車はすべて運休、県道も国道も一時通行止めという有様だ。
寝ているあいだに川が決壊するかもしれない。裏の山が崩れてくるかもしれない。そんな不安な夜を迎えて、一番心細いのは一人暮らしの高齢者だと思う。
介護の仕事で訪問したとき、このへんの避難所はどこですかと訊いたら、笑われた。
「避難所なんて。どうやって行けばええねん?」
室内を歩くのも困難なのに、100m先の小学校なんて五月晴れだって行けるわけがないと。家族は遠方だしここには車もない。逃げられんのだと。でもご近所さんは? 親切な◯◯さんが一緒につれてってくれますよ。
「こんな年寄りが、若いひとに迷惑かけたらあかん。私のせいで逃げそびれたら大変やろ」
「もうええねん」
と、その人は言った。
「もしこの家がどないかなったら、私はここで死ぬ。そう決めてるねん」
あきらめたような覚悟をきめたような口ぶりで。高齢者が一人暮らしをするということは、そういうことなのだと言いきかせるような口ぶりで。
口では強気なことを仰っていても、内心はどんなに心細いだろうと思う。地震のときは震えて立てなくなっていた方なのだ。遠方に住む息子娘の顔を思い浮かべているのではないだろうか。
その方の住む地域は今も避難勧告がでている。
・・・はやく雨が止みますように!
コメント
関西住みで今回の大雨は近くの川が氾濫しそうになったので、ほんとヒヤヒヤしました。避難勧告でていましたは、避難しろと言われてもまともに歩けない親をどう連れて行けと・・
避難所にいくくらいなら自宅の2階にいるほうがまだまし。
地震などで、万が一、避難所暮らししなきゃいけないと思うとぞっとします。
川、氾濫しなくてよかったです!本当に…
避難勧告でてたんですか。それは不安でしたね。
>避難しろと言われてもまともに歩けない親をどう連れて行けと・・
そうなんですよね。問題はそこなんです。物理的に行く方法がない。
私は避難したことがないので何ともいえませんが、きっとトイレなども不便なことでしょう。
今現在、被災地で高齢の方や障害のある方はどんなに困っておられるでしょうか…。