金曜日のこと、デイサービスから帰ってきた母が
「今日ね、仲良しのひとができたの」
と話してくれた。
「Kさんって言ってね。すごく気が合ったのよ」
珍しい!
すごく珍しいことだ。
デイで会った人の名前を覚えてるなんて。 しかも「気が合った」なんて。
母はもう5年近く、いくつものデイに通っているが、こんな話はほとんどしたことがなかった。いつも
「おもしろい人がいてね」
「こんなことする人がいてね」
と、ぼんやりと話すだけだった。いくら話がはずんでも、毎週出会っていても、記憶障害のせいで名前を覚えることは難しかった。なのに今日は
「◯◯に住んではって、息子さんがいて、猫好きだけど飼ってなくて」
と、盛りだくさんの個人情報を覚えて帰ってきた!
Kさんは母と同じ『片麻痺仲間』らしかった。
そして何より
「若い人なの。私よりもずっと若いの」
母は嬉しそうに言う。
なるほど、と思った。
母は65才からデイに通っている。デイサービスの利用者さんの平均年齢はだいたい80代後半で、母とは一世代も違うため、ジェネレーションギャップに悩んでいた。
「いつもいつも『若いねえ』って言われるの」
とウンザリしていたのだ。
それが自分より若い人を発見したから嬉しかった。Kさんも同じように嬉しかったのだろう。2人で
「『若いねえ』って言われるの、嫌よね」
という話をさんざんしたらしい。
Kさんは、もしかしたら、母にとってほとんどはじめての「デイ友達」になるかもしれない。来週まで覚えていられたら、だけど。覚えていられますように!(記憶を持続させるために、ちょいちょいKさんの話をするよう努力しています)
本日の猫写真。
のびのびくつろぐサンジ君。
でも、
「悪いねんけど、どいてくれへん?」
と母が言いにくそうに頼んできます。
実はここは母のお腹の上なのです。さすがに重いよね。