仕事で介護をしている仲間の中でも、プライベートでがっつり在宅介護した経験がある人と、ない人とでは、温度差を感じることがある。
職場で
「○○さん、ショートステイに行くんだって。月1回くらいは家族を休ませてあげたいからって」
という話を聞いたときのこと。
次に出てきた言葉はこれだった。
「気をつかってかわいそうに!」
・・・えっ・・・?
私はフリーズした。
可哀想?
なにが?
ショートに行くことが?
家族に気をつかうことが?
聞いてみたかったけど、まわりが
「えー、お嫁さんじゃなくて実の子供さんなのに気をつかうんだあ」
「デイに行ってるんだから一緒じゃないの?」
「気の毒やねえ」
わいわい同調していたから何も言えなかった。
やっぱり在宅介護やってる同僚だけは
「でもデイだと夕方までには帰らなくちゃいけないし、時間の制約があるんだよ!」
と言い返してたけど。
私はびっくりすぎてポカンとしていた。
ショートをつかって介護者が休日をとるのって当然じゃない?
普段は介護のためにかなりの時間を使ってるわけだから。
うちなんか
「私もたまには遊びたいから、おかーさん来月はショート行ってきてや」
と平気で言う。
「悪いけど個室とられへんかったから今回だけ大部屋でがまんして」
とまで言う。
母は
「えええええええ! まあいいけど!」
と返す。
「一晩くらいなら我慢してあげるわっ!」
私は「介護してあげてる」んじゃない。
もしかしたら母のほうが「介護させてあげてる」って思ってるかもしれないけど。
介護する側とされる側。
我が家の場合はほぼ対等だ。
私は母の介護をする。
母は私にネタを提供する。
2人バイオリンは一人では弾けない。
お互い様の関係だ。
だからさ。
その利用者さんも
「介護して『もらってる』ばかりじゃいけない。
家族のために自分ができることは何か」
と考えてショートに行くことを決めたんじゃないのかな。
少しでも釣り合いをとるために。
それは、かわいそうというよりも、自然な気持ちなんじゃないだろうか。
まあ、ショートって費用がかかるから、実際には「痛し痒し」なんだけどね!
(シシィさんの遊んで攻撃!
猫は私に癒やしを与え、私は猫にキャットフードを与えます。
こちらもギブ・アンド・テイクな関係)
ちなみに今日は母が
「優しくしてくれないと、家出するから!」
と脅してきた。
どうやって家出するの?
「だだに連れていってもらうもん!」
・・・それは家出じゃなくて、旅行だよね?
「わからんよ?左手さん(麻痺のある手)だけ家出するかもしれん」
・・・左手さんだけ?
「そう。私の左手は独立してるから!」
麻痺がひどくて皮膚感覚すら失くした手を、母は擬人化して楽しんでいるのだ。
左手だけ家出したら『アダムス・ファミリー』のハンド君みたいになっちゃうよ!
「それが嫌なら左手さんにもっと優しくしてあげてね!」
母の冗談に、私たちは涙がでるほど笑った。
・・・明日こそ大事な話を書きますね。お待たせしてごめんなさい。
コメント
日頃クールなだださんがすごく興奮なさった大事なこと、
発表早くして~。
お母さまの発想には、意表を突かれました。
お二人のやりとりは、もう立派なコントですね。
シェフ氏、「しょっぱ」評にガックリなさっていませんか。
それとも、評価はひそかに?
シシィちゃ~ん、だださんって、アンマリだよね。
あのドアップ画像(笑)
お待たせしてごめんなさい。
落ち着かないと暴走しちゃいますから。
母は昔からなんでも擬人化して話す人だったのですが、脳卒中をやらかしてから拍車がかかり、ほとんどギャグの世界に生きてます。
>シェフ氏、「しょっぱ」評にガックリなさっていませんか。
それが…うちのシェフは濃い味・塩味が好きなもんで、
「ちょっとしょっぱいな」
くらいにしか受け取らなかったようです。
目の前で捨ててやればよかった。
シシィは「あたしはお尻まで可愛い!」って思ってるので多分、平気です。