終わらない夏(6)母、退院する

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「筋力低下で立位がとれません。在宅介護は厳しいでしょう」
と言われたのに
「私ならできます!」
と言い切って母を退院させることに決めたけれど。

私はちょとドキドキしていた。
先週、病院ではちゃんと介助できたけど、あれはきっと、すごく調子がよかったからだ。
久しぶりで、しかも人前で、私も気合が入っていたからうまくいったのだ。
帰宅したらどっと疲れがでるに違いない。
気が抜けて足もフニャフニャになるだろう。
本当に在宅で大丈夫だろうか・・・。
いや、きっと大丈夫だ。
前日には業者さんが移乗用リフトを運び込んでくれている。
操作は面倒だけどリフトがあれば立位がとれなくても移乗はできる。
デイサービスだって行ってもらえるのだ。
きっと大丈夫。
きっと・・・。

病院の車に乗せてもらって帰宅したのは9月末のことだった。
「たっだいまー!サンジー!シシー!帰ってきたよー!」
母はまっさきに猫を呼んだ。
猫たちは・・・犬とちがって飛んで喜んだりはしなかったけど。
母は嬉しそうにサンジを抱いていた。
・・・おかえり、おかあさん。

3週間ぶりに帰宅した母は少しだけ痩せて見えた。
病院ではゼリー以外ほとんど口にしていないと聞いてる。
たくさん食べたら元気になるよね。
今夜は胃にやさしいごはんにしよう。
茶碗蒸しとか。
湯豆腐とか。
あとお鍋とか・・・
ケンタッキーフライドチキン!」
母は嬉しそうに叫んだ。
「今夜はどうしても、どうしても、どうしても!ケンタッキーが食べたいの!」
退院直後なのに、脂の塊みたいなチキンをバリバリ食いちぎる母。

だめだこの人。
もうすでにめっちゃ元気だ。

数日後には演奏会を聞きに行きました。
今日は図書館へいって、公園でピクニックをしました。
母、完全復活です。
「お出かけは最高のリハビリだよ!
 次のお出かけは、USJね!」
いや、それよりもまずお父さんの面会に行こうね?
「えー・・・」
えーって、えええ・・・。

コメント

  1. ああ〜、うちのダンナさんも心臓の手術でひと月近く入院した時、退院後にラーメン食べたがりましたわ。
    ケンタッキーも熱心にリクエストされて買いましたが、病院食に慣れた口には「こんなに塩気強かったっけ?」と騒ぎながらぺろっと完食しましたよ。
    塩と油って美味しいんですね。
    演奏会に図書館にピクニック、お母様さすがでございます。
    どうぞ、寂しがっておられるであろうお父様にも会いに行って、元気づけて差し上げてください。

    • すみません!コメント欄ぜんぜん気づいてなかったです…
      両親ともに帰宅すると油っこいものを食べたがりました。
      病院では止められていたからよけいに欲するんでしょうね。
      無理だ、むせる、食べられない、と言われていたのに二人もパクパク食べていますね・・・

  2. お母さん、退院おめでとうございます(で、良いですよね?)
    本当に家が1番なんですよね。亡き父も家が大好きで、病院に行くくらいなら家で死ぬのが夢だったのでしょう。80%叶ったような気がします。
    私の母も来週あたり退院が決まりそうです。入院当初は「これでは在宅は無理かもです」って言われ、施設を探さなきゃいけないかー金が無いしーてどん底でした。でも翌週は「立てれば在宅で良いですか?」になり、今日は「30メートルほど歩けます、そろそろ退院になります」と連絡が来ました。脅しておいてもう退院か?お前の目は節穴か??患者の容態も想像出来ねーか!って思ったほど。病院ってあてになりませんね。回復したから感謝だけど、母の執念の頑張りには脱帽です。また地獄が始まるのかと思うけど、父も居ないし一人なら大丈夫かなと思いつつ、父が居ないから、間に入る人がいなく息抜きが出来ないことに気が付き、あー父がいてくれたらなーと、今更に思ってしまいます。とにかく女って恐ろしい、そこまで生きたいかい?聞きたいです^^

    • 返信できてなくてすみません!
      女って恐ろしいw
      女性のほうが生命力たくましいですよね。
      相性によりますが3人より2人きりになると余計にしんどい部分もありますね。
      お互いほどほどに頑張りましょう。

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