私は今年(2017年)夏に福祉車両の買い替えをしました。昔はほとんど選ぶ余地がなかったものですが、今は福祉車両の種類がものすごく増えていることに驚きました。我が家の福祉車両はこれで3台目だし、職場(デイサービス)の車も当然ぜんぶ福祉車両。なもんで
「福祉車両を買おうか迷ってるんだけど、どんなのがいいの?」
と訊かれることがちょくちょくあるので、まとめてみようと思います。
ざっくり分けると、現在、福祉車両は3タイプあります。
1)座席が出てくるタイプ
2)車椅子ごとスロープ
3)車椅子ごとリフト
ちなみに私が以前のっていた車は1と3の両方ついてました。今の車は2のスロープタイプです。
それでは順番に説明をしていきましょう。長所短所も書いていきますが、あくまでも私個人(と母)の感想です。
1)座席が出てくるタイプ(呼称・リフトアップシートなど)
助手席または後部座席が回転して、写真のようにうにょーんと下りてくるので乗り降りしやすいです。肘置きは動かせるところが多いです。メーカーによってはオプションで補助ベルトがつけられます。
長所:ふつうの座席なので乗り心地がいい。長時間移動のときはすごく楽
短所:車椅子ユーザーの場合、移乗が面倒。車椅子はトランクなどに収納する必要がある
※似たタイプに、座席が回転する、というタイプもあります(名称「回転シート」など)。リフトのように外に下りてきませんが、回転だけでもあるほうが便利です。
2)スロープ
車椅子ごとスロープに乗り込むタイプです。スロープ昇降の際はウィンチを使うので力もいりません(ウィンチがいらない車もあるという噂・未確認)。現在の我が家はこのタイプで、写真と同じダイハツ・タントスローパーです。
長所:車椅子ごとスイッと乗れるので負担が少ない。リフトより安心?
短所・操作を覚えるのに時間がかかったー!
3)リフト
車椅子ごとエレベーターみたいなリフトで乗り降りする。主に大きめの車とかデイのバスについてる印象。我が家はトヨタのヴォクシーにメイプルという会社で後付してもらいました。4年で壊れましたがむちゃくちゃ役に立ちました。
長所:スロープに比べて操作が簡単
短所:万が一のとき危険
【福祉車両の選び方】
福祉車両ってどれがいいの? と訊かれても、使う人の状態によってどれがふさわしいかは違います。立てるのか、歩けるのか、車椅子ごと乗りたいのか、普通の座席に座りたいのか…現在だけでなく数年後の将来をも見据えて選びましょう。一見同じように思えても、シートの高さや車椅子を乗せるスペースなどは車種によって大きく異なります。必ず試乗してから決めることをおすすめします。
【注意点】
・福祉車両って、スロープのウィンチやリフトなどのモーター?を積んでいるため、基本的に燃費が悪いです。あきらめましょう。
・車椅子ごと乗り込むタイプの場合、サイズにはくれぐれも気をつけてください。リクライニング車椅子など大型の車椅子の場合、入り切らないこともあります。
・ワゴンタイプなど大きな車の場合、車椅子を2台乗せることも可能のようです。
・スロープでもリフトでも、車椅子のまま車に乗ると、ある程度の揺れがあります。実際に乗ってみたほうがいいです。
・軽自動車でも座面が高い場合があります(スライドドアの車に多い?)。健常者にとっては普通の高さでも、足の弱い方には「座席が高くて乗れない」「踏み台が必要」ということになりがちです。座面の高さにはくれぐれもお気をつけて。
・高齢の方や障害のある方はどんな車種でも手すりがあると安心です。乗り降りだけでなく「安心して乗っていられるか」「持つところはあるか」なども要チェックです。(12/24追記)
・同じ車種でも福祉車両には一部の機能がなかったり、希望するグレードの設定がない場合もあるそうです。
・リフトアップシートは場所をとります。そのため後部座席の足元が狭くなったり、後部座席に人が座れなくなる車種もあるそうです。必ず自分の目でみて確認しましょう。
(12/26追記)
そうそう。このあいだ役所いったときに、こんな福祉車両を見かけました。
うにょーんと出てきた助手席は取り外すことができ、そのまま車椅子として使えるのだとか。むちゃくちゃ興味津々だったけど、まったく知らない人の車だから「ちょっと見せて!」とは言えなかった…。サイトを見ると、車椅子を後ろに積み込むための補助具もあるみたい。どんどん新しいタイプの福祉車両が出てきますね。ついていくの大変!
最後に、メーカーさんの福祉車両ページへのリンクを並べてみます。参考までに…
・トヨタ(カローラ・プリウス・ヴォクシー・ノアなど)
・日産(ノート・キューブ・セレナ・エルグランドなど)
・三菱(デリカ、ekワゴン、ekカスタム)
・ホンダ(N-BOX、フィット、フリード、オデッセイなど)
・スバル(レガシィ、インプレッサ、ステラなど)
・スズキ(ワゴンR、スペーシア、エブリィ)
・ダイハツ(タント、ムーヴなど)
おまけ。
本日の猫写真。
「洗濯物をキャットタワーに干さないでほしいにゃん!」
コメント
さすが、公私ともに介護のプロさん。
実地検証を伴う(コレ重要ですね)とても具体的なこの記事、
コピー保存しときます。
新機軸の車が出てきたときは、それを含めて考えればいい
ですよね。
驚くなかれ、私(70超)の上には姉・兄が計4人いるん
です。
今のところ、行動内容によっては娘の助けが要る長姉を除き、
自分のことは自分でできているけど、皆いつどうなっても
おかしくない年齢です。
キャットタワーに洗濯物…「ナンデコウナルノ?」
by 不機嫌そうな(笑)Dada’s Cats
ついでに「キャッツ」の初演を調べたら、1981年5月の
ロンドンですと。
だださんは、まだ小学生だったでしょうか。
1981年ですか~小学校低学年でしょうかね。
っていうかロコさん!
文章めっちゃお若いですね!
お兄様お姉さまもきっと心がお若い方々なのでしょう。
早く自動運転技術とAIが普及して、免許がなくてもどこへでも安全に連れていってくれる車になればいいなあと思います。
それこそが究極の福祉車両ですわ…。
はじめまして
福祉車両、一時期に比べると相当種類が減ってます。
以前は、トヨタに例えると、ほぼ全てと言っていいほどに
福祉車両の設定がありました。
現在は数車種と、選べる幅が狭く、車好きの自分は
しぶしぶ、セルシオ、エスティマ、エスティマ、アルファードと
トヨタで乗り継いで来ましたが、福祉車両は、福祉車両ではない
同等グレードと比べると
一部、機能が排除されていたり、好きなグレードに
設定がないなどと、不遇で飽き飽きしてました。
一番気に入らないのが、同じトヨタなのに
レクサスに福祉車両の設定がない
後付け出来ないというとこです。
トヨタブランドだと、設定がない、あるいは
福祉車両ではない、今持ってる車に、リフトアップシートを
後付け出来るの場合もあるのに、レクサスは相談すらのってくれませんでした。
福祉車両(リフトアップシート)選びで気をつけて欲しいのは
昇降装置が座席後部についているものもあり
後ろの人の足元が狭い
酷い物は、昇降装置のせいで後部座席に乗れない物もあるので要注意です。
日産やホンダにそのタイプが多いです。
カタログではわかりにくいです。
そんな国産車に嫌気がさし、今は
ドイツ車の大型SUVにスエーデン製の汎用リフトアップシートを
取り付けました。
こちらも、座面高が上がるので、車種や、身長によっては
頭が天井に当たる、昇降時、ピラーに頭が当たるなど
身体の状態によっては、乗れないなんて事があるので注意です。
輸入物なので、故障など考えて、アルファードと二台所有しています。
C7さん、初めまして。
ご訪問ありがとうございます。
>福祉車両、一時期に比べると相当種類が減ってます。
おお、知りませんでした、むしろ減ってるんですか。
スロープで乗り込める軽自動車って昔は見たことがなかったので、てっきり種類が増えているのだとばかり思っていました。
福祉車両を必要としている人はどんどん増えているというのに、困った話ですね。
>福祉車両は、福祉車両ではない同等グレードと比べると
>一部、機能が排除されていたり、好きなグレードに設定がない
そういうこともあるのですね。
車のことはまったく詳しくないので勉強になります。
それは福祉車両であるために他の機能がつけられないということなのでしょうか?
>福祉車両(リフトアップシート)選びで気をつけて欲しいのは
>昇降装置が座席後部についているものもあり
>後ろの人の足元が狭い
>酷い物は、昇降装置のせいで後部座席に乗れない物もあるので要注意です。
それは大変ですね…。
このことをブログ記事に追加してもよろしいでしょうか?
それにしてもレクサスとかアルファードとかすごいですね…!
同じ福祉車両選びにしても車好きの方は世界が違うなあってびっくりしました。
どうぞ使ってください
地域によっては実車見ることが出来ない所もたくさんありますし
セールスがきちんと説明してくれるかも怪しいですし。
ありがとうございます。
ごめんなさい、もう追記書いちゃってました(笑)
>地域によっては実車見ることが出来ない所もたくさんありますし
そうなんですね…
売り手もよく分かってないことが多いのでしょうね…。