居間で姪っ子たちが遊んでいた。大きなカードで神経衰弱を始めたようだ。9才の梅ちゃんが弟にゲームを教えている。
「カードを2枚、ひっくり返すの」
だが幼い弟はなかなかゲームを覚えない。
「あ、ちがう!ちがうってば!」
お姉ちゃんは大変そうだ。
そこへ猫のシシィがやってきた。
「あたしもやる!」
と言いたげに、子供たちの隣に座り真剣にカードを眺めている。
「シシィもやるの? はい、じゃあ次はシシィの番」
9才の梅ちゃんは、なんのためらいもなく猫を仲間に入れた。そしてごく自然にゲームを続けた。
「このカード? これめくるの? はい、ざんねーん、はずれ! じゃあ次は龍ちゃんの番・・・ほら、また間違えた。次は梅たん。それからシシィ・・・はい、またはずれー!」
声だけ聞いてたら、まるで世話のやける妹がもう一人増えたみたいだ。子供にとっては、猫も人間も同列なのかもしれない。
猫たちは毎日、幸せでたまらないようだ。朝起きたらすぐに龍ちゃんを探し、梅ちゃんを遊ぼうと誘いにいき、椿のひざで昼寝をし、ずっと子供たちにくっついて過ごしている。寝不足にならないといいな・・・。