オヤジの料理(15) ビーフシチュー

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毎週金曜に夕食をつくってくれるオヤジ。
先週、
「次は何がいい?」
と母に尋ねたところ
「ビーフシチュー!」
という答えが返ってきた。母の好物だ。
「ようし、来週はビーフシチューを作るぞー!」
オヤジは張り切って約束した。
そのあとで
「ビーフシチューって、何?」
・・・嫌な予感しかしない。

しかこの一週間、オヤジは一生懸命にビーフシチューの研究をした。昔、母と訪れたレストランで食べたビーフシチューが美味しかったことも思い出した。レシピも見つけた。同僚に作り方を教えてもらったりもした。

そして今夜、研究の成果を発揮して、オヤジは立派なビーフシチューを作った・・・のだが。
「失敗したああああ!」
また泣いている。
「なんかわからん味になってもたあああ! こんなん0点やああああ!」
毎回毎回、うるさいオヤジである。

いや、美味しそうだよ! すごく美味しそう! 料理上手な人ほど自分の料理が気に入らないって言うから、きっとそのせいだよ!

母と2人で宥めつつ、一口。

・・・うん?
たしかに、『なんかわからん味』がするぞ。
市販のルーだけじゃないよね? 何か入れたの? ワイン?

「ワイン入れたよ。煮詰めて飴状にして…」

ええええ、すごいな! 凝ってるな! 古いワインを大量消費したな!
他には?

「それから、これも…」

臭み消しのハーブらしい。すごいなあ。オヤジ頑張ったなあ。
ただ問題は、我が家はみんなハーブが苦手ってことだ。
母が苦手だからまったく使わず、そのせいで私もオヤジも駄目なのだ。
自分がキライなものを、なぜ入れたのだろうか。

「だってレシピに書いてあったから…」

うん、次はもっと初心者向けのレシピを見ようか。ワイン煮詰めないやつ。

断っておくが、ビーフシチューは美味しかった。すごく美味しかった。ただ、美味しいものを食べ慣れない私たちの舌では、ちょっとわからなかっただけである。

「こんなので不味いなんて言わないで!次から私たちが料理できなくなっちゃうでしょ!」

母が懸命に慰めて、ほめて、おだてて、オヤジの自己評価は「0点」から「55点」にまで昇格した。

・・・シシィ、疲れたよ・・・癒やして・・・。

コメント

  1. 先週の唐揚げ、お相伴させて頂きそこねてしまいましたが、
    シェフ殿、また一気に飛躍なさいましたね。
    凝るとなると、男性のほうが徹底しているのかも。
    昔、嫁2人が傍観している前で、塊で買ってきた牛肉を出刃
    で叩けるだけ叩き、もったいなくも(と貧乏性の私が
    思った)ハンバーグにした義兄とうちのご亭どん、
    次の機会には皮から餃子を作ってくれましたが、
    どちらも1回こっきりでした。
    息切れ、早すぎ。
    継続は力なりと言われますし、お父さまの頑張りに敬服して
    おります。

    • お久しぶりです!
      ロコさん来られないと寂しかったです(笑)

      金曜日のシェフ、飛躍しすぎてコケちゃいましたよ…
      塊の牛肉でハンバーグですか!
      それは豪快ですね。
      手間もお金もかかった分、美味しかったでしょうね!
      頑張りすぎて、しんどくなっちゃったんですかね…。
      「頑張らなくていいよ!てきとうで!」
      と私もよく言うのですが、力の抜き方がわからないんでしょうね、きっと。