母がスマホを買いました

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母は脳出血に倒れる4年前まで、当然のように携帯電話をつかっていた。毎日毎日メールをしまくり、写真を撮りまくり、アドレス帳の登録なんて4、500件もあった。

しかし病を得てからまもなく、携帯は解約せざるを得なくなった。妄想と高次脳のせいで、とんでもない番号に電話をかけてしまうからだ。使いもしない携帯代を払いつづけるのも苦しかった。

正直、今もそれはあまり変わらないのだけど…。

このあいだ、94才のおばあちゃんに言われたのだ。
「あんた、おかあさんに、電話、持たしてあげえ」
と。
その人もガラケーを肌身離さず持ち歩いている。使わないし、使えないけど、それでも大事なんだって。持っておきたいんだって。携帯電話って、今や現代人のお守りであり、運転免許証と同じように一種の「大人のプライド」でもあるのかもしれない。

それでちょっと考えてしまって、母に
「やっぱり携帯ほしい…よね?」
と尋ねたら、
「ケータイよりもスマホがほしい!」
と返ってきた。さすがである。
・・・スマホかあ。
とりあえず本体のみ購入して、ちゃんと使えそうだったら後でSIMを買えばいいか。使えなかったら予備に置いとけばいいし。

と、いうわけで。
70才、要介護5の母が、本日ついにスマホデビューを果たしました!

「うわあああ、かっこいいいいい!」
1万円ポッキリの安売りスマホに大感激する母。さっそく可愛いシールで飾りつけていた。

とりあえずメールソフトとLINE、YouTubeと広告ブロックつきのブラウザをインストール。それから母の希望でFacebookも入れた。だって、インターネットで何がしたいかと尋ねたら、
「日記書きたい!」
なんて言うのだ。日記魔の血は争えないというところ。ただ、フォントを「極大」にしても文字の入力はなかなか難しいようだ。検索は音声でしたほうが早いだろう。

使いこなせるかどうかは分からない。可能性は低いと思う。でももし、使えるようになったら。ネットサーフィンとLINEだけでもできるようになったら! 母の世界はぐっと広がるだろう。もどかしいくらい身体は動かない母の、あふれる好奇心を満たしてくれるだろう。

いつか、ショートステイ先から私の旅先に、LINEで話しかけてくれる日がきたら、いいなあ。

本日の猫写真。

LINEの友達登録がぜんぶ消えて、あたふたしている私の横で、気持ちよさそうに眠っているシシィさん。何やってるんだろうねえ人間は…。

コメント

  1. スマホなんてすごい!
    私も心苦しかったけど、母の携帯は解約しました。字は読めないし書けないし、でも、寂しいだろうなぁ・・・と。もうメールもできないし、お友だちとも連絡とれないし。しゃべれないから電話もできないし。
    でも、どこかで誰かと繋がってたいですよねぇ。。。
    今、母の世界がどんどん小さくなってる気がするけど、どうしようもなくて。
    facebookで日記なんて、ほんと素晴らしいです!!

    • そうなんですね、読み書きできるからこそ…。
      chiekoさんのお母様は左脳でしたもんね。
      でもまだお若いですし、身体はずいぶんよくなられたようですし、
      とにかく可愛いお孫さんが一緒ですから!
      うちの母とはぜんぜん違う方向に世界を広げられるかもしれませんね。