昨日、オヤジが途方に暮れた顔でやってきた。
「あのな、夏物の下着が見つからへんねん」
・・・探してください。
「んー」
・・・んーじゃなくて自分で探してください。
「どこ探したらいいか分からん」
・・・自分の部屋でしょう!
オヤジの部屋はゴミ溜めだ。車の中も会社のデスクもゴミ溜めだ。片付けるという能力がまったく無い。ちょいちょい掃除しに入るが一瞬で元通りになるから不思議だ。呪いでもかけられているのかもしれない。
そんな人だから、放置しておくと
「見つからなかった」
といって冬物下着に半袖シャツで出勤しかねない。
しかたなくオヤジの部屋に突撃した。臭い。加齢臭すごい。散乱している紙袋や古いカレンダー、ロストボールや古いティー、使い古しのタオル、何かの包み紙、レシートなどなどをゴミ袋に放り込んでいく。
布団を干し、掃除機をかけ、積み上げられた衣類の山を整理した。マスクしてたのにやっぱり喘息がでた(すぐ薬のんだから大丈夫だった)。
「掃除しなくてもべつに死ぬわけじゃないし!」
とかいうてるけど、私はこの部屋にいつか殺される気がする。
夏物の下着は「夏物下着」って書いたタンスの引き出しにちゃんと入ってた。どうしてこれが探せないのかさっぱり分からない。やっぱりオヤジは呪われているのかもしれない。
猫たちはオヤジが好きです。スルメくれるから。