介護は必要だけど、訪問介護(ヘルパー)を使うことには抵抗がある、という話を聞いた。知らない人を家に入れたくないという気持ち。
・・・分かるわー。
思わず頷いてしまった。私も苦手だったから。
我が家では昔から、障害をもつ妹のためにヘルパーさんに来てもらっている。毎週欠かさず、もう20年以上になるだろうか。
私も若い頃は他人が家に入ってくるのが嫌でしょうがなかった。わずらわしかった。ヘルパーさんが来ると2階に逃げていた。
そんなふうに感じるのは、まだ介護というものがどこか他人事というか、無責任というか、「第三者の力」を借りる必要性を理解できていなかった証拠だと思う。当時、妹の主介護者は母だったから。ヘルパーなんて呼ばなくても母がみればいいのに、くらいに思っていた。(いや、お前がみろよ!って今なら思うけど)
でも母が倒れたとき、総力をあげて我が家を助けてくれたのは、そのヘルパーさんたちだった。
長い付き合いのヘルパーさんはもう「知らない人」なんかじゃなかったのだ。妹にとってヘルパーさんたちは「第二の母」「第三の母」。妹のこと、妹の身体のことについては頭のてっぺんから爪先まで把握していた。褥瘡のことを真剣に心配して、専門医に診せることを強くすすめてくれたのもその事業所さんだった。他にもいっぱい、いっぱいお世話になって、私たち家族はそのひとたちに足を向けて眠れないくらい感謝している。
ヘルパーさんは間違いなく他人だし、知らない人だ。最近では物騒な事件もあるし、虐待とか窃盗とかの心配もある。どこにだって良い人も悪い人もいる。自宅というプライベート空間に入られるのは不安なのだろう。
でも
「ヘルパーさんは、うまくいけば、すごーく良いお友達になれるかもしれないのよ」
と母はいう。母が記憶障害を負ってから最初に覚えた人名は、週1で来てくれるヘルパーさんの名前だった。母にとってヘルパーさんは「お金を払って来てもらう人」というだけではなく、人生における大事な出会いのチャンスと考えているのだろう。
在宅介護をされるすべてのお家に、良いヘルパーさんとの出会いがありますように。
本日の猫写真。
昨夜、ベッドから落っこちたサンジ君。凄い音してたわ…。