オモシロイ話

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Sさんは認知症でいろんなことを忘れてしまった。
自分のことも日常動作も、言葉まで忘れてしまってほとんどしゃべらない。
でも私たちはあんまり気にせずに普通に話をする。
むしろ
「Sさん、ちょっと聞いてくださいよー」
ヘルパーの愚痴を聞いてもらったりもする。

そのSさんが、ぜんぜんしゃべらないSでさんが、ヘルパーの目標の欄に「Sさんから言葉を!」って書かれてるそのSさんが、今日突然、えらい勢いでしゃべりだした!
「※〒◯×△。・・・!」
何を言ってんのかさっぱりわからない!
わからないけども!
そんなことどうでもいい!
「うん、うん、そうなんですかー」
って聞いていた。
「××で◯⇒♭>&÷なのに◯■※-§♫〓・・・!」
Sさんはニコニコ笑って、早口でいっぱいしゃべって最後に
「◯※〓♫なんですよー!」
と笑った。
自分でしゃっべって自分で笑っている。
・・・そうか、これはオモシロイ話なのか。
最後の一言、「~なんですよー!」は話のオチなんだ。

だから私は笑った。
めっちゃ笑った。
話の詳細はわからなかったけど、Sさんが話をしてくれたことが嬉しくて楽しくて笑った。
ハッピーだった。

そのあとお風呂でもいろんな話をしたけど、ご主人の話題がでたときに、Sさんはまた笑ってた。
照れくさそうな幸せそうな笑いだった。

さっきの「オモシロイ話」は、ご主人の話だったんじゃないかな。
それもロクな話じゃなくて、
「聞いてよ、うちの主人ったら服も靴下も脱ぎっぱなしにするんですよー!」
とかなんとか。
口がきけないのに悪口いうくらい、ラブラブなんだろうなあ。

「ごはんがないでーす!」

本日の猫写真はうちのデイサービスのミー先輩。
夏バテの反動で食欲の鬼になっています。
朝ごはん2回もあげのにまた
「ごはんの皿が空でーす!」
って訴えられたよ。