母の退院

母が退院するため、朝から病院へ迎えにいく。
たまたま仕事が休みの日で助かった。

精算など手続きをすませ、さあ連れて帰ろうと思ったら
「お着替えをさせていただきますので、デイルームでお待ちください」
といわれた。
通常なら、着替えなど退院の支度は家族が手伝うものなのに、コロナのせいでそれすらできない。

２週間、顔も見られなかったので、どんな状態になっているのだろうかとドキドキする。
ほとんどベッドで寝たきりの２週間。
筋力は落ちただろうか。
座位や立位はこれまでどおり保てるだろうか。
高次脳がひどくなってはいないだろうか。
一体、母はどんなことになっているのだろうか・・・。

看護師さんに車椅子を押してもらってあらわれた母は、白髪が伸びて逆立って…
「ワタボウシタマリンみたい」と思った。

退院時の母

ワタボウシタマリンな母は、家に帰ったときは元気だった。元気そうに見えた。
退院祝いのケーキを食べたし、嬉しそうにドラマを見た。
それでもやっぱり、ちょっと違う。
覇気がない。

２年前に入院したときは、退院したのが嬉しくて
「ねえ、お茶してから帰ろうよ！」
とか
「お買い物に行こうよ！」
とか言ってたのに。
今回は何もしたいと言い出さない。
「なんとなく眠い」
一日中ぼやーっとしていた。

体力が落ちているのだ。
少し座るとしんどくなるし、トイレのために立位をしたらフラフラだ。
移乗もへたくそになっている。
手すりをつかんで立つのも久しぶりだから、筋肉痛になったようだ。

入れ歯もあまりつけていなかったのだろう。
歯茎がやせて入れ歯が合わなくなっている。
食欲も乏しく、ご飯はあまり喉をとおらない。
・・・ケーキとスイカは食べたけど。

まあ、今日の今日で元気満タン！ってわけにはいかないよね。
明日はデイでお風呂に入れてもらおう。
そしたらきっと元気になるね。

シシィが母の帰宅を喜んで喜んで、ずっとそばから離れません。