オヤジがまた入院した。狭心症のカテーテル手術。
去年の夏からもう4回め?もう忘れた。もう飽きた。
入院手続きで毎回、同じ書類を書かされるのが面倒くさい。「一度書いたら一年間有効」とかしてくれたらいいのに!
あまりにも面倒くさいので、緊急連絡先を私の携帯しか書かなかった。普段は親戚の番号も書いているのだけど、親戚も病気だしコロナ来ているし、電話番号を調べることすら面倒くさいからもういいだろうと思ったのだ。
そうしたら看護師さんにツッコまれた。
「もうお一人、連絡先を書いていただきたいのですけれど・・・次女さんか三女さんでは?」
次女は海外在住で、三女は重度障害があって寝たきりです。
そう答えると若い看護師さんは目を丸くして
「あっ、えっと、そのう、」
しばらく言葉に詰まってた。
それから言った。
「・・・・だいぶヘヴィですね」
ええもう。
ネタ満載ですわ。
コロナのせいで家族は面会禁止だ。病棟には入れない。
洗濯もできない。
まあ、4日くらいで帰ってくるんだけど。
看護師さんに連れられて病室へ向かうオヤジに、頑張ってねと声をかけると
「もうどうでもいいわ・・・」
しょんぼりと病室へ向かっていった。心底うんざりしているのだろう。
病院の駐車場は狭くて停めにくく、警備員さんがなにかと世話を焼いてくれた。帰り際にお礼をいって車に乗り込むと、その警備員さんが
「あれ?お父さんは?」
きょろきょろしながら尋ねてきた。
父は入院したんです。
そう答えると
「おやまあ」
ため息をつかれた。車椅子の母のほうが病気で、オヤジは付添だと思われていたのだろう。年齢的にもそれが一般的なのかと思った。
・・・なんだかなあ。
家に帰ると、どっと疲れがでてきた。
若いとはいえ看護師さんはいろんな患者さんに出会っているはずだが、そんな人からみても今のうちはヘヴィな状況なのかと。
オヤジは去年までドクターショッピングしまくっていた。まだ自分で運転できたし、脳外科や循環器科や市民病院や市外の病院やと紹介されるがままに行きまくっていた。
気がついたら薬が20コくらいになっていた。
薬局もバラバラ。
お薬手帳も3冊。
一包化もできない。
夏に新しい病院と新しい薬が増えた。と同時にオヤジの頭がおかしくなった。
薬が増えすぎたせいじゃないかと複数の人に言われた。
私もそう思った。
でも勝手に薬を減らすのは怖いので、在宅医療の先生にまとめてもらって、減らしてもらった。窓口を一本化したら通院も減る。オヤジも私も負担が減る。
なにより、増えすぎてワケのわからなくなった薬を一包化してもらえる!
これはいいと思った。
そしたら思わぬ行き違いが起こってしまった。
一包化できたと思ってたら、できてなかったのだ。
減らしてもらったと思ってた薬が、ただ飲めてないだけだった。
私は忙しすぎて、在宅の先生ともあんまり話す暇がなかった(仕事の合間に来てもらってた)し、ちゃんと説明を聞けていなくて早とちりしてしまったのだ。コミュニケーション不足だった。
すべてを私一人でやってるもんだから、チェック機能もなく、薬が飲めていないことに誰も気づかなかった。
おかげでオヤジはまた病院に逆戻りだ。
悪いことをした。
オヤジは、私を責めなかった。
後悔しても仕方がない。
前を向いて進まなければいけない。
だが、手術が終わったらまた通院するのかと思ったら、ちょっと萎える。
オヤジは煙草をやめないし水分も積極的にとらないから、何回手術をしたところでまた再発するんかなとも思う。
母が倒れてから7年、なんとか楽しくやってきたんだけどなあ。
今日はもう笑う体力すら残っていない。
帰宅後も病院から電話がガンガンかかってくるし、先生によって言うことが違うし、一日中責められつづけて本当に疲れてしまった。
どうしようもないからアイス食べて寝よう!
おやすみなさい。