先日『義母と娘のブルース』というドラマのスペシャルを見た。子育ての話で、悩めるシングルファーザーが登場していた。
たった一人で子供を育てることは難しい。夜泣きに悩んだり働けなかったり。頑張っても頑張っても、赤ちゃんはただただ泣き叫ぶばかり。父親はたまりかねて、
「おまえのためにやっているのに、なんでおまえが邪魔してくるんだ!」
悲鳴のような怒声をあげる。
・・・このセリフ、介護でもよく耳にするなあと思った。
もう一つ耳に残ったセリフがある。
ノイローゼ状態に陥り子育てを放棄した父親についてヒロインが放った言葉だ。
「足りないのは、資質ではなく環境です!」
この父親はたった一人で闘ったために疲れ果ててしまったのだ。少しでも子供を預かってくれる人がいれば、相談する人がいれば違っただろうと。
介護も同じ。
環境は、とてもとても大切だ。
長男だから。
一人っ子だから。
お姉ちゃんだから。
妻だから。
夫だから。
母親だから。
父親だから。
・・・たったひとりで介護をする。
それは、そのひとを背負って山をのぼるようなもの。
「保育園に入れたらいいのに」
「介護保険をつかえば済むだろう」
とか思ってる人もいるかもしれないけど、そんなわけがない。「名もなき家事」がやまほどあるように、介護保険のつかえない介護は山ほどある!
通院のつきそい、デイやショートステイの準備、薬の整理、紙オムツの補充、掃除、山のような洗濯、見守り、施設からの呼び出し、トイレトイレまたトイレ、そして夜中のウンチ! ・・・子育てだってきっと同じだろう。
ちょっとでも代わってくれる人がいれば、家事や買い物でも手伝ってくれる人がいれば、相談する人がいれば、ぜんぜん違うんじゃないだろうか。
友だち。
親戚。
ご近所さん。
誰でもいいからそばにいてほしいし、私自身もその中の一人になりたいと思う。
近くにいる人に少しでも手を差し伸べられたらと思う。
子育てと在宅介護をするすべての人が、孤独から逃れられますように。
・・・でもまあ正直、介護って耐性に個人差はあるかも。