神戸へいってきた。
母の高校のプチ同窓会があるので連れていったのだ。
介護者というものは片時も車椅子のそばを離れられない。
いつでも、どこに行くときも付き添わなくちゃいけない。
だって車椅子だから。
・・・というのが世間一般の介護イメージなんだろうけれども。
うちはそうじゃない。
母が障害のあるU子を育てたとき
「みんなにやってもらったほうが、いいやん!」
と言っていた。
「みんなにU子を触ってもらい、知ってもらえば、心のバリアフリーにつながる」
などというのは建前で
「みんなに手伝ってもらった方が楽!」
というのが本音だった。在宅介護は手をぬいてナンボ、楽をしてナンボである。そうでなければ続かない。
そういうわけで私も楽をすることにした。
プチ同窓会の場まで母を連れていき、
「よろしくおねがいしまーす!」
と車椅子ごと預けた。
母の同窓生の皆様は、私の本を買ってくださったり、それどころかあちこちに売りまくってくださった方々なので、快く母の車椅子を押してくださった。どこまでもありがたい。
で!
私は!
神戸で束の間の自由を味わったのです!
楠公さんにお参りにしたり、学生時代に通ったパン屋さんを探したり、商店街を歩いたり。楽しかったー! 同窓生の皆様ありがとうございます!
母の車椅子を押して歩くのも楽しいけど、1人で町を歩くのもやっぱり大好き。私は1人になるといつも『全力で速歩き』になる。短い時間でめいっぱい楽しもうとするからだ。今日は1時間で1万歩くらい歩いた。
母を迎えにいくと、最高に楽しそうに笑っていた。
往復の車を入れると5時間ちかく座りっぱなしでお尻もかなり痛いはずなのに、
「楽しいときはそんなこと言っていられないよ!」
と笑いとばしていた。
高齢者にとって人間関係は若いときよりも大事だ。
ともに笑い話せる人がいるかどうかで老後の暮らしの質は大きく変わる。
母が友人に恵まれたのは本当に幸運だと思った。