今日はちょっと嫌なことがあった。Twitterにもこぼしたし、嫌な話なので詳細ははぶくが、病院で怒鳴られたのだ。頭上から一方的にむちゃくちゃ怒鳴りつけられたから、びっくりしたし、怖かったのだろう、母は不穏になってしまった。妄想を見たし、大好きなドーナツも喉を通らないくらいだった。
夕方になってようやく自分を取り戻した母は、私にこう言った。
「えらそうに威張ってる人ってみんな、自信がないのよ。お医者さんていうのは責任の重い仕事だから不安になるでしょ。自分が正しいのかハッキリと自信がもてないから、威張りちらすことで自分に自信をつけてるの」
と。
「それにね、あの先生はきっと、朝から奥さんに叱られてイライラしてたんだよ」
それは昔サービス業をやっていた私が、お客さんにいじめられて泣いて帰ったときに話してくれたのと同じ言葉だった。母は変わってないなあと思った。
嫌な思い出だけで終わりたくないので、今日はもうひとつ楽しい話をしよう。
お手をする猫の話だ。
犬にくらべて猫は芸をしない。自分が一番エライと思ってるし、人に命令されるのが嫌いだから。・・・そう思ってたけど、正しいやり方で教えれば、猫も「お手」ができると、何年か前にネットで知った。
ごほうびにおやつを用意し、うまくできたらカチッと音を鳴らしておやつをあげる、という方法。
そこで当時うちにいたアジャリという猫にお手を覚えてもらおうと思った。
「あじゃり、お手!」
「お手!」
「お手ーー!」
だが私の手が血まみれになっただけで終わった。アジャリ爺さんは賢すぎて、どんなに隠してもおやつを持つ手を直に襲ってくるのだ。クリッカーなんか完全無視。
それではサンジどうだろう?
「サンジ、お手!」
「お手!」
「お手・・・」
サンジはおやつに見向きもしない。カツオブシすら食べないサンジは、食に興味がなく、ごほうびには釣られない。
そしてシシィ。最近めっきり大人っぽくなり、落ち着きがでてきたシシィさん。
レディ・シシィを仕込む時がきた。
「シシィ、お手!」
・・・バシッ!
おお。
手が出たぞ。
というか、はたかれたぞ。
「お手!」
・・・バシッ!
痛いけど、ちゃんと手を出すぞ!
えらいぞシシィ!
あんた賢いな!
シシィはそこそこ素直な猫だ。食い意地も張っている。おかげで乱暴ではあるが3日で「お手」をマスターした。動画でお見せしたいところだが、近頃は天気がわるくて家中が洗濯物だらけ・・・写ってはいけないものが写ってしまう。モザイクだらけになってしまう。
ひとつ気づいたことがある。
「お手!」
ってなんか命令してるみたいじゃない?えらそうじゃない?
ちょっと感じ悪いなって思ってたんだ。お猫様相手に人間風情が・・・って。
でもやってみたら違った。シシィさん見てたら違った。
猫にとってのお手は、芸ではなく、人間の命令に従うのでもなく!
「ボタンを押すとおやつが出てくる自動販売機」
なのであった。猫にとって所詮、人間なんて自動餌出し機なんですよね。
コメント
辛い思いをされましたね。
母上のご意見はごもっともだと思います。
「暴力は無能者の最後の隠れ家」ですが、言葉も然り。
「弱い犬ほど良く吠え」ますが、吠えられた側は納得もいかないし不愉快です。
何一人で喚いてんのよー!患者の質問くらい冷静に答えなさいよー!!って(言えないですから 笑)
嫌なことがあった時はご褒美おやつを召し上がれ。
食べ過ぎはいけませんけどね。頑張った自分を褒めてあげてください。
ありがとうございます。
「弱い犬ほどよく吠える」ってそのとおりです!
ほんとうるさいのよ吠えられると…
私一人なら好きなだけ言い返してやるのにねえ。
ストレスたまってる時はチョコレートに限るんですが、すでに胃を壊してしまってそれも叶いません…
大変でしたね、よく音楽でも自分の指導法に自信が持てない先生が暴力に出ていましたね、最近スポーツでは問題になっていますが、腕が紫の点々になるぐらい叩かれた事ありますね、説明してくれたら分かるのに、こうでしょでは分かりませんでしたね
猫ちゃんがアジリティを完璧にこなす動画を見たことがあります。わんこさんより時間がかかりそうですね、昔の私みたいにそれをする意義が理解出来ないと猫ちゃんはやらないのかも?ですね
ありがとうございます。ほんま大変でした。
音楽の指導で暴力なんてびっくりです!
痛そうですね…
私の中学には暴力教師がいて、殴る蹴るがふつうに行われていました。
そのときもなぜ彼が暴力をふるっているのかわかりませんでした。
みんなクレイジーだ…。
うちの猫がお手をするのは、芸というより
「おやつを寄越せ」
と言う表現、もしくは人間への命令のように思います。
「手を出せばおやつの合図だろうが!」
みたいな。
嫌な思いをされましたね・・。
私が頻繁に思い出す、真理を端的に突いたサルトルの言葉があります。
「頭のいい人は、必ず親切なものなんだよ」
うろ覚えですが、原文では「頭の悪さからくる意地悪は、何て残酷なものなんだ」
とかそういうニュアンスだったと思うのですが。
これって大抵は歪んだ劣等感(とその反動の傲慢さ)が根底に潜んでいますよね。
だださんやお母さまには、まったく責任がないことです。忘れましょ。
ありがとうございます。
サルトル、すごいですね。
頭の悪さからくる意地悪(笑)なかなかパワーのある言葉です。
怒りってだいてい無駄だから、賢い人はそんなに怒らないような気もします。
>歪んだ劣等感(とその反動の傲慢さ)
おお、母の言葉とも似ていますね。
蒸し返して嫌な気持ちになるのも無駄なことですので、きれいに忘れたいと思います。