夫婦で映画デート

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昨夜、母が言った。
「お父さんと『相棒』の映画、見に行くことにしたの!」
嬉しそうに、楽しそうに言った。
「たまにはお父さんの映画にも付き合ってあげなくちゃね!」
・・・いや、逆やろ。『相棒』が好きなのはおかーさんやろ。付き合ってもらうんやろ。

週に1度の「夫婦でお留守番DAY」はこうして映画デートに決まった。いろいろなことに不慣れなオヤジが一人でなんとかできるように、私はいっぱいメモを書いた。

・チケットの買い方
11:50『相棒』身障者+介助者1名、身障手帳を見せること
車椅子席とその後ろの席を指定すること

・持っていくもの
車椅子テーブル、お出かけリュック etc…
靴を履かせるのを忘れずに!

・車椅子テーブルの設置方法
まず、きちんと座りなおす
肘置きを同じ高さに合わせる
テーブルを差し込む
左肘の下にタオルを敷く
テーブルの上にティッシュ・タオル・コーヒー・ポップコーンをセット

・映画が終わったらすぐにトイレに行くこと!

他にも、大きな尿取りパットをつけて出かけること、ひざかけと上着を忘れないこと、帰りにスーパーでパンと牛乳、私におみやげのドーナツを買って帰ること、などなど、今日のオヤジのミッションは盛りだくさんだった。

帰宅してから、今日どうだった? と訊いたら
「うんまあ、上出来だったと思うよ!」
オヤジはちょっとだけ胸を張った。

ドキドキしながら映画館に向かい、オロオロしながらチケットやポップコーンを買い、バタバタしながら母をトイレに連れていくオヤジの後ろ姿が目に浮かんだ。外のトイレは使いにくいんだ、とっても。十分な余裕をみて出かけたつもりなのに、着いたときには映画はちょっと始まっちゃってたんだって。それ以外はうまくいったって。
「おとうさんね、あんたに叱られちゃうから、頑張ったの!」
母はコロコロと笑った。
「『やばい、また、だだに怒られる!』って何回も言ってた」
頑張ったオヤジは疲れてへろへろ、と言いたいところだが、私が帰宅するなり競輪に出かけていきました・・・。


(バイト先のミーさん。強面だが「いらっしゃいニャー!」って言ってる。たぶん。)

今日はお疲れ様、よくがんばったね、助かった。
そんな労いの言葉をかけつつ夕飯に鍋焼きうどんを出したら、オヤジはおそろしく調子にのって
「来週は、オレが、肉じゃがをつくってやるから、見てろ!」
と言った。どうやらレシピ本を借りてきたらしい。でもオヤジのことだから、きっとレシピなんて見てもなんにも分からないと思う。
「大さじって何? カレーのスプーンでええか?」
「1カップってどういう意味?」
「炒めるってどういうことや?」
「片栗粉って何や?」
「沸騰ってどないするんや?」
とか聞いてくるんだろうな。
あ、今、
「『うすはくこ』って何?」
って聞いてきた。
それは『はくりきこ』って読むんだよオヤジ・・・。

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