明日になったら風向きは変わる

冬と春とが拮抗しているはずの、春分。
今年は春が大負けしている模様です。
なんなの、この寒さ！

今日は施設にいる妹が一時帰宅してきた。日帰りさせたけど、今日もなかなかにぎやかだった・・・。

サンジはゆうこが大好きです。

問題は、妹を帰宅させたあと。
夜になってからのこと。
いろいろとうまくいかなくて、母が不安定になってしまったのだ。

まず、バイオリンの楽譜が読めなくなった。難しい曲だからだと思う。5線が細く、音符も小さくて見えにくいんだ。今夜はとくに読み間違いがひどかった。

次に、
「明日からもうデイに行かない」
と言いだした。
「だって、めんどくさいんだもん。子供みたいなゲームとか工作なんてしたくないよ。他の人たちともぜんぜん話が合わないし、全然おもしろくない」
もともと勉強好きな母は、デイでやるような「遊び」が嫌いだし、ほかの利用者さんとのギャップ（年齢も話題も）は以前からの悩みの種だ。これまでは我慢してくれていたのに・・・。

それだけではない。
「杖があったら私だって歩けるもん！」
久しぶりに『ひとりでできるもん妄想』に突入してしまった。
「自分でトイレ行くし、私ひとりでバイオリン弾けるし！デイに行かなくても家にいるから！」

うーーーーーん。
めんどくさいなーーー。

歯車がひとつ噛み合わなかったせいで、すべてがうまくいかなってしまった。
とりあえず今日はもう寝るか！

母を寝かしつけた直後、メールがきた。
母の友達からのメール。
それは嬉しいメールだった。
落ち込む私たちを明るく引き上げてくれるような、鼓舞するようなメールだった。
私は布団に入ったばかりの母にメールを読んできかせた。
母はようやく微笑んでくれた。

明日になったら、楽譜をもっと拡大コピーをしよう。すでにA3サイズなんだけど、半分に切ってさらに大きくしたら見やすくなるかもしれない。

デイサービスには手紙を書こう。
「レクや人付き合いに少し疲れているようなので、ひとりで本を読ませてあげてください」
と書いておこう。嫌がられるかもしれないけど、まあいいや。

落ち着いて、機嫌がよくなったら、無茶も言い出さないだろう。

明日になったら。
明日になったら。
風向きが変わる。
すべてが変わる。
バンコクへの航空券だって買えるかもしれない。

だから今夜は、もう寝よう。