介護離職は絶対にしてはいけない、のか?

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「介護離職は絶対にするな!」
という人がいた。近頃どこかで見かけた言葉。でも
「絶対に!」
なんて言わないでほしいと思う。
そういう言葉は人を縛ってしまう。
呪いにかけてしまう。

そりゃ介護しながら仕事を続けられたらもちろんいいけど、残念ながらこの国は、そんなに柔軟じゃない。
緊急事態宣言がでているというのにまだリモートワークを渋る会社があるくらいだ。
現場の仕事だとリモートなんか不可能だし。
介護との両立は難しい職種もあるだろう。
介護休暇?
介護って何年も何十年も続くんだぞ?
施設入所?
え、何年待つと思ってんの?

責任感の強い人や真面目な人が
「介護離職は絶対にするな!」
と言われたら悩むだろうと思う。
日本の社会はやり直しを拒む。
一度でもドロップアウトをしたら人生終わりだ。
だから無理にでも頑張っちゃうんじゃないかな。
なんとか仕事をつづけようと、頑張って頑張って、壊れちゃうんじゃないかな。
そうなったら在宅介護はもう終わりだ。

私はそんなに真面目じゃないので普通に介護離職した。
仕事を辞めるとき、尊敬する先輩がこう言って送り出してくれた。
「あなたの家族にはあなたしかいない。あなたは、あなたにしかできない仕事をやりなさい」

辞めてから、いろいろあった。
ウィーンに行ったり、本を出したり、賞をもらったり。仕事を続けていたら絶対にできない経験をたくさんさせてもらった。
そして今は介護士としてなんとか働いている。働けてる。

現在の仕事を大切に思っている人や、どうしても収入を維持しなくてはならない人や、あとなんていうか、つぶしがきかない人は、介護離職をすると厳しいかもしれない。
でも人生はいろいろだ。
次は何が起こるかわからない。
「絶対」なんてことはない。
選択肢はきっとある。
可能性はいつだってある。
他人の言葉で自分を追い詰めてはいけないと思う。

写ったらアカンものが写ってたから文字で消してみた

「絶対」じゃなく。
離職しても復職できたり、普通にリモートで稼げたりする、もっと柔軟な社会になることを願う。
そうすれば介護で追い詰められる人は減るだろうから。

※「これから介護を始めるあなたへ」アンケート締め切りました!ご協力いただいた皆様、大変ありがとうございました。どうやって形にするか考え中ですので気長にお待ちくださいませ。