店員さん、ありがとう

「毎日毎日コロナでうんざり。なにか楽しい話、ない？」
と友達に振られたけど、急すぎて思いつかなかった。
オモロい話が浮かばないのが悔しかった。
最近あんまり大笑いしていない気がする。

そんなことを考えながら一日が過ぎ。
帰宅したとき、ふと気がついた。
「スマホがない！」
どこいったスマホ。
命のスマホ。
ろくにロックもかけてない私のスマホ。あんな写真やこんな写真がいっぱい詰まってるスマホ。
悪い人に拾われたらかなりまずい代物。
一体どこに落としたんだーーーー！

『スマホを探す』機能で探したら、スーパーに落ちていることがわかった。買い物にいったとき落としたのだ。
慌ててスーパーへ走る。
サービスカウンターへ駆け込み
「スマホ届いてませんか！？」
と尋ねると
「ああ！ 今、届いたところですよ！」
応対してくれた店員さんが天使に見えた。
「ただ、かなり汚れているんです。使えるかどうか…」
と、取り出されたスマホ。
私のスマホ。
いつもと変わらぬ画面バキバキのおんぼろスマホ。
たしかに「使えるかどうかわからない」と思われても仕方がない有様。
「ありがとうございます。普段からこんなんです！」
勢いよくお礼をいうと店員さんはおかしそうに笑った。
駐車場に落ちてちていたのを、帰りがけの店員さんが見つけて拾ってくれたそうだ。
・・・さあ帰ろう、と駐車場まで来たのに、私のスマホのせいで店まで引き返してくれたんだ。
申し訳なかった。
親切な店員さんのおかげで、あんな写真やこんな写真は無事でした。

シシィさんのセクシーショット

今、スーパーは普段より混んでいる気がする。
「自粛でどこにも行けないからせめて買い物を」
と、遊び半分で来る客もいるのかもしれない。
だがそのぶん店員さんたちは危険にさらされている。
マスクなしで咳してるオジサンや、子連れファミリーをたくさん見た。
レジ担当の友人は
「職業柄、いつか感染すると覚悟してる」
と言っていた。
・・・そんな覚悟。させたくない。
でも誰かがやらないと生活ができなくなる。
私たちにできることは、マナーを守り、一人だけで短時間で買い物をすませ、コロナウィルスをうつさない、うつされない努力をすることだろう。

店員さん。配送員さん。工場の方々。
そしてもちろん、医療関係の方々。
ありがとうございます。
お体大事にしてください。