冬休みを満喫

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先日、温泉でのぼせて救急搬送されたオヤジは、今のところ無事に日々を暮らしている。

急ごしらえのベッドでもちゃんと眠れているし、朝夕の着替えを私が介助することで汚れた下着も着替えるようになった。車の運転はさせられないので、どこへ行くにも私か妹が送迎している。オヤジは「うるさいなあ」という顔をするものの、わりと大人しくしている。・・・かまってもらえることがまんざらでもないのか、それとも抵抗する気力すらないのか。

なかよし。

今日は朝からいい天気だった。
家族みんなで公園に行こう。
あったかいコーヒーを持って。
お散歩をしよう。

「バドミントンをしよう!」
と小学生の梅ちゃんが言った。うちの姪っ子たちはなぜかバドミントンにはまっている。公園の広場に着くとさっそくバドミントンで遊び始めた。キャアキャア声を張り上げているが、すぐにシャトルを落としてしまう。ラリーがなかなか続かない。

と、それまでぼうっと座っていたオヤジが、もぞもぞと立ち上がった。
・・・どうしたの?
「あのな、あの、あいつらが、あんまり下手くそやからな」
つっかえながらオヤジは言った。
・・・もしかしてお父さんもバドミントンやりたいの?
「そう!」
おお、やっといで、やっといで!

オヤジはのそのそと広場へ出ていって、6才の孫を相手にラケットを振り始めた。が、当然、体がついていかない。見かねた妹が
「お父さん、私と勝負しよう!」
と出ていった。いざという時、すぐ助けられるようにだろう。
「おじいちゃん、がんばれー!」
姪っ子たちの声援がとんだ。

それはスリリングな勝負だった。ラケットを振るたびオヤジの体がフラフラ揺れる。足が上がらないので何度もつまずきそうになる。今にも転ぶかもしれない、転ぶかもしれない、とハラハラしながら見守った。

危ないとは思ったが、でも止めなかった。一日中テレビの前でぼーっとしているか競輪を見ながら居眠りをしているばかりのオヤジが、自分からラケットを取りにいったのだ。お日様をあびて体を動かし、孫たちと大笑いしているのだ。たとえ転んでケガしても、それが元で寝たきりになったとしても、まあ仕方がない。

だが幸運にもオヤジは転ばなかった。早々に疲れてベンチへ帰ってきたからだ。息を切らせていたが楽しそうだった。

太陽を背にヒーローポーズを決める

3人の子供たちはみんなそれぞれに孝行してくれる。

私は椿と一緒に買い物に行き、ご飯をつくり、庭木の剪定まで手伝ってもらった。
オヤジは龍ちゃんと一緒にゲームで遊び、ちょっとムキになって戦っていた。
母は梅ちゃんのバイオリンを指導し、ロングトーンのやり方を教授していた。

今夜は年上の子たちとホラー映画を見る予定。ポテトチップスをつまみながら。楽しみ、楽しみ。冬休みを満喫だ!

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