「介護離職は絶対にしてはいけない!」
と書かれた本を見たことがある。
強い言葉だった。
介護離職をするのは人生を棒に振ることだ、待っているのは悲惨な将来だけだ、後悔したくなければ離職するなと。いっぱい書いてあったけど嫌になって読むのをやめた。
介護離職したくてする人は少ないだろう。
それでも離職する人は後を絶たない。
介護のプロだって例外じゃない。
ヘルパーやケアマネジャーも介護離職をする。
在宅医療の医師でさえ、実の親の介護が始まると
「介護離職、そりゃするわ」
と弱音を吐く。それくらい厳しいのだ。
・・・先生、がんばってー。やめないでー。(田中ホームケアのブログ・カテゴリ「介護離職」)
在宅介護に必須なのは、お金と知識とマンパワーだと思う。
マンパワー・・・介護できる家族がそばにいるか、だけではなくて「何人いるか」が介護離職の分かれ目の一つ。
そこには何人家族だとか何人兄弟だとかは関係ない。問題は「介護できる(する)人が」何人いるか、だ。まったく知らんぷりの家族が何人いても邪魔なだけ。
そういえば、毎日毎日世話してくれる家族を罵るくせに、盆と正月だけ顔だしてなんにも手伝わない家族のほうを可愛がる現象! あれ何なの!? そろそろあの現象に名前をつけたいよ!
「もういい、あの子のほうが優しくしてくれるから、あっちへ行く」
といって遠方の息子と同居しに行ったおばあちゃんが引っ越して3ヶ月しないうちに施設申し込みされて入所を待たずに亡くなった。
馬鹿だなあと思う。
悲しいなあと思う。
介護って何なのだろうって、後悔のない介護なんか存在するのかって、話を聞いてるだけで泣きたくなってしまった。
・・・話がそれた。
介護離職したくてする人は少ない。
介護の状態は家によってぜんぜん違うし、職種にもよるし、どんなに頑張っても無理なケースがある。
介護保険には限界がある。ありありである。
だから、その家の事情をなんにも知らずに
「介護離職したら負けだよ」
「介護保険を使えばなんとかなるんじゃないのか」
「施設に入れたらいいじゃない」
「あんた、将来どうするの!」
みたいな言い方はやめてほしい・・・。
その人はただ、どうしようもなかっただけなのだから。
だいたい、在宅介護を推進しているのは政府じゃないか。
絶対的に求められているのは「辞めないこと」よりも「介護しながら働けること」じゃないだろうか。
介護って10年単位で続くもの。数ヶ月の一時休業では間に合わない気がする。
ワークシェアリング。
テレワーク。
新しい職業。新しいチャンス。
パートでも厚生年金をかけられたら。介護しながら貯金ができたら。
少しでも。
ほんの少しでも。
働けたら。
そして介護が終わってからも続けられたら。
私も来年はもっと収入が増えるように頑張ろう。