先日、11月11日は『介護の日』だった。「介護について理解と認識を深め、(中略)国民への啓発を重点的に実施するための日」だとか。
私は興味ないからスルーしてた。
在宅介護者にしてみれば、毎日が介護の日である。これ以上何をしろというのだ。むしろ、たまには「介護を忘れる日」が必要だよ!
・・・そう思ったっきり、忘れてた。
そしたら、今朝。
送迎バスで母を迎えにきたデイサービスの職員さんが、
「このあいだ『介護の日』だったので、感謝状をつくってきました」
と言った。
デイではよく誕生日カードとか敬老の日おめでとうカードをもらうから、その類だと思ってたら・・・真逆だった!
職員さんは恭しく、表彰状みたいに文面を読み上げてくれたのだ。
感謝状
ご家族殿利用者の方が日頃デイサービスに通えるのも、24時間365日、ご家族の温かい介護と愛情があるお陰であると、心からの感謝の意を表します。
令和元年11月十一日
藹デイサービスセンター
在宅介護って、報われないものだ。
一円の報酬もないし、なんの見返りもない。
家族だからやって当然だと思われている。
まあ自分だってやりたくてやってたりするけど。
それでも。
それなりの量の時間や気力や体力や金力を捧げてる。
何年、何十年? 果てしなくつづく介護に。
だから、ほんというとさ、ちょびっとだけ羨ましかったんだよ。
母の日のカーネーションとか、ちょびっとだけ。
私は独身だから。
だからこの感謝状を見てものすごく嬉しかった。
自分でもびっくりするくらい嬉しかった。
と同時に、これは私だけのものじゃないと思った。
在宅介護をする家族全員に受けとってほしいと思った。
・・・ここまでが家族としての感想。
ここからはデイサービス職員としての感想。
すごい発想だなあ、偉いなあ、こんなこと考えつくなんて、思いやりのあるデイだなあ。
たしかに、デイサービスは在宅介護があってこそ成り立つもの。とくに介護度の高い利用者さんの継続は、事業所としても大きな収入になる。利用者さんが在宅をあきらめて施設に入っちゃうと、デイに来てもらえない=事業所の収入が減ってしまう。私たち職員のお給料がもらえるのは、ご家族さんの介護のおかげなのだ。感謝しなければ。
下世話でごめんなさい。
デイサービスも赤字でつぶれる時代ですから。
デイサービスがつぶれたら、私たち家族はにっちもさっちも行かなくなる。
家族とデイは互いに大事な関係だ。
来年の「介護の日」には、母が通うデイサービス宛に感謝状を書こうかな。