ホットカーペットが出せない理由

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ここ数日でいきなり冷え込みがきつくなった。
今朝はエアコンをつけた。
高齢者のいるお宅ではそろそろコタツが登場している。
車椅子の邪魔になるのため我が家にコタツは置けないが、
「そろそろホットカーペットを出そうかなあ」
と思った。
思ったが・・・出せなかった。

理由はオヤジである。

うちのオヤジはこの6月に退職した70才。退職したばかりの頃は、疲れもあるだろうしと好きにしてもらっていた。好きなときに起きて自分でパンを焼いて食べて薬をのんで、気が向いたらフラリと遊びに出かけていく。退屈してきたら少しは家事も手伝ってくれるだろう。そんなふうに考えていた。

ところがだ。
オヤジはなんにもしなくなった!
なーんにも!

どこにも出かけず一日中テレビの前に貼りついて、立ち上がるのはタバコだけ。いつまででも寝てるし、皿一枚も動かさない。薬はもちろん、すっぽかす。朝も昼も食べたり食べなかったりでヒョロリと痩せてしまった。そのうえ風呂も入らないし下着もかえないし歯磨きもしない・・・まあこれは昔からなんだけど。

あまりにもボーっとしてるから頭が働かない。日付がわからなくなり、しゃべれなくなり、文字が書けなくなり、ほとんど歩けなくなった。車に乗り込んだらエンジンのかけ方が分からずにボーっと座っている(すぐにキーは取り上げた)。

たった一ヶ月で廃人やんけ!
「認知症ちゃう?」
と親戚に心配されたけど、どうみても廃用性。生活不活発病である。

この頃のオヤジは本当に手がかかり、母どころの騒ぎじゃなかった。後をついてまわって食事や着替えや薬や、すべてを用意してやらなくちゃいけなかったのだ。介護保険を申請すればよかったと思う。

しかも私には仕事がある。
この夏はとくに忙しかった。
付きっきりで世話なんてできない。

一人で放置しておくとテレビから離れないからリモコンを隠して仕事に行った。帰宅すると、オヤジは真っ暗な部屋で真っ暗なテレビ画面をぼーっと眺めて座っていた。むちゃくちゃ怖かった。心療内科の予約をとろうとしたら一ヶ月先まで埋まっていたっけ。

ただ、この鬱状態は持病の影響もあったらしい。病気が治ると鬱状態かなりマシになった。将棋サークルに行き始めてからは顔色もよくなり、わりと普通にしゃべるようにもなった。相変わらず風呂には入らないし家事もしないけどな!

舌をしまい忘れたサンジ君

今は、もっと出かけられる場所を増やしていこうと、あちこち走り回って新たなサークルを探しているところ(走り回るのは私!オヤジは当然なにもしない!)。

で。
本題に戻ろう。
電気カーペットの話だ。

今、我が家にホットカーペットを出したらどうなるだろうか?

「ホットカーペット + 布団」の組み合わせは、コタツと同じくらいの魔力がある。
気持ちがいいのだ。
良すぎるのだ。

オヤジはきっと、ぬくぬくと寝そべりながら一日中テレビを見るという幸せに嵌ってしまい、抜け出せなくなるだろう。またしてもテレビ中毒が再発し、生活不活発病が再燃して、再び鬱症状に陥るだろう。

元の木阿弥!!!!

なので我が家は、オヤジの生活リズムができるまではホットカーペットは出せません。猫が可哀想だけれども。年内に出せるようになるといいなあ。私もたまにはぬくぬくしたいなあ。

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