ちょっとした怪奇現象はすべて猫で説明されるという話

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ようやく『残穢』を読み終えた。

えげつないオバケがじゃんじゃん出てくる話ではなく、リアルな怖い話をドキュメント形式で追及していくというものだ。とてもリアルで、映画にもなった本で・・・・かなり怖かったと思う。たぶん。

だが残念ながら、私はあまり怖がることができなかった。
なぜかというと
「それ猫のせいなんじゃないの?」
とか思ってしまうからだ。
いったんそう思ってしまうとすべての心霊現象が脳内で猫変換されてしまう。

以下は、本のネタバレも入るのでお気をつけて。


たとえば
「首吊りをした幽霊がぶらぶら揺れていて、長い帯が床にこすれる音がする」
というくだりを読むと
「猫じゃらし(お気に入りのひも)を引きずったシシィが遊んでほしくてウロウロしている音」
なんじゃないかと想像してしまってどうにも怖くならない。

他にもいろいろあるけどこんな感じ。

・誰もいないのに人の気配がする→ 人はいないけど猫がいる
・誰もいない部屋で物音がする→ 猫がひとりで暴れてる
・動かした覚えのないものが動いている→ 猫が倒している
・どこからともなく赤ん坊の声が聞こえる→ 猫が鳴いている
・床を這うような音がする→ 猫が這っている
・寝ていると頬を触られる→ こっそり猫パンチされてる
・何かを引きずるような音がする→ 猫が猫じゃらし運んできた
・肩がずっしりと重い→ 猫が肩にのっているニャ
・部屋の写真を撮ると光がうつる→ 猫の目が光ってる
・天井近くにひとの顔が→ 冷蔵庫の上から猫が見下ろしている
・壁から赤ん坊が湧いてくる→ 壁の穴から猫が顔をつきだしてくる
・うめき声が聞こえる→ 鼻の悪いサンジがいびきをかいている
・夜、呪うような声が聞こえる→ うちの妹が一晩中私の名前を呼びつづけている
・叫び声が聞こえる→ うちの妹が騒いでる

猫じゃないよ、霊だよ!
一生懸命、自分に言い聞かせるんだけど、いったんアホな考えが頭に浮かぶとなかなか離れてくれないで困ってしまう。ほんとうにアホですみません。

今日いちばん怖かったのは、失敗しちゃった母のトイレでした。よくホラーで血だらけの手がにょきって出てくるやつあるけど、現実には「ウンコだらけの手」のほうが怖い気がします。

あ、いっておきますが、「残穢」はとってもおもしろくて読み応えのある怖い本でした!ファンのひとごめんなさい!

コメント

  1. だださんこんにちは。
    私の家は、障子と襖と欄間がある、引き戸オンリーの
    完全ジャパニーズスタイルの部屋(集合住宅)です。
    で、こういう家だと「残穢」は心底怖い…と思いきや
    実はだださんと同じ理由で、そんなに怖くなかったのですよ。
    やっぱり猫の存在ってすごいと思いました。
    物語はとても面白かったんですけどね。

    • おおおー!
      まさに、って感じですよね!
      地獄が見えちゃうから欄間は覗いたらダメですよ(笑)。
      そしてやっぱり怖くなかった派ですか。
      ひとりぼっちで読んだらきっとすごく怖い本なんでしょうけどね。

  2. お久しぶりです。
    残穢ネコバージョン!

    爆笑してしまいました。
    素晴らしいです。
    確かにネコは怪奇現象の原因ですね。

    • お久しぶりです!
      猫って気配を消すし、足音もないし、でも暴れまるし、どこにでも入り込むから怪奇現象に間違われやすいと思うんです。
      物語には関係ないんですがついついいらないことを想像して、台無しにしてしまいました。