母が読むウィーンの物語

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母が年末から読んでいた本をようやく読み終えた。

タイトルは『消えたヴァイオリン』。盗まれたヴァイオリンを探し求める女の子の物語だ。舞台は18世紀のウィーンで、盗まれたのは名器アマティ、偉大な作曲家ハイドンまで登場するという、音楽好きウィーン好きにはたまらない小説だ。

母はこの本を、もう、わくわくしながら読みふけっていた。今どんな感じ? と尋ねたら
「ウィーンの街を馬車にのって走ってるの!」
と返ってきた。きっと母は主人公の女の子とともに懐かしいウィーンの街を懐かしい馬車に乗って走っているのだろう。

私がこの本を見つけたのは2、3年前のこと。「ウィーンに行くぞ!」とやっていた頃で、その頃の母はまだ普通の本を読むことができなかった。私は『消えたヴァイオリン』を読みながら
「おかあさんがこれを読んだら喜ぶだろうな」
と思っていたものだ。

今、母はその本を読んでいる。石畳を走る馬車の音を聞き、そびえたつ大聖堂の影を思いだし、本物のウィーンの風を感じながらこの本を楽しんでいる・・・そう考えると私もわくわくするのだった。

若い人向けのかわいらしい小説だけど、おばあちゃんが読んでも良い本でございました。

 

本日の猫写真。
憂い顔のサンジ君。

近頃サンジは、私が抱っこしようとすると
「また薬を飲まされるー!」
という恐怖の表情を見せます。ともすると逃げようと暴れます。私はそれがとても悲しい…。あんなにも甘えたで「抱っこ大好き!」だったかわいいサンジが、毎日のお薬のせいで「抱っこ嫌い」(とくに私)になりつつあるのです。

でもお薬は毎日飲まないといけないし。お薬飲ませるには抱っこするしかないし。
シシィも最初の頃こそ
「兄ちゃんがいじめられてる!」
と救出にきたものですが、近頃はすっかり慣れてしまって
「また兄ちゃんがお薬のまされてるー! わーい!」
からかうように覗きこんだり、サンジの尻尾にジャレつく始末です。お願いだからやめてあげて・・・。