介護の話で
「身内への怒りはどうやって処理したらいいのか?」
という話題に花が咲いた。
利用者さんに対してはそうそう怒りはわかない。
仕事なら大丈夫。
他人なら我慢できる。
・・・でも身内は。
親には。
どうしても怒ってしまう。
どうしても我慢することができない。
相手に何も期待しなければ怒ることもないのだけれど
「だって親だもん!」
家族だもん。
どうしても期待せざるを得ない。
たとえば両親が遠くに住んでいて、年に数回しか顔を合わせないのなら、話は別だ。少しの間だと思えば我慢しやすい。
だが、毎週なら。
毎日なら。
毎時間、毎分、毎秒なら!
もう我慢できない。
地理的にも血縁的にも、近ければ近いほど、関係が濃ければ濃いほど、我慢するのは難しい。
たぶん、そういうふうに介護虐待だの事件だのは起こってしまうのだろう。
些細なことかもしれないが、うちのオヤジは頑なに風呂に入らない。風呂に入れというたび大喧嘩になる。私は毎日ガミガミ怒るのに疲れてしまい、
「もうあきらめよう」
と思った。
「怒るのはしんどい。もう怒らないでおこう」
怒るのをやめたら平穏がおとずれた。ケンカをしない日々。怒鳴らないですむ日々。穏やかな日々・・・ではなかった。
平穏はおとずれたが、怒鳴らないかわりオヤジは風呂に入らないのだ。下着も変えない。母と2人で軽く促してもオヤジはすべてをスルーする。
私は考えた。
「このままいけばオヤジはどれくらい不潔でいるだろうか? そして私はどれくらい怒らずにいられるだろうか?」
ちょっと試してみることにした。
オヤジと私の不潔耐久レース。
1日め。まあ、いいやと思った。
2日め。気にならないのかなあと思った。
3日め。嫌だなあ。だいぶ嫌だ。
4日め。そろそろ限界だ。
5日め。・・・5日めのパン・・・ツ・・・。
「いいかげん、下着くらい替えろーー!!!!」
こらえきれずに朝から怒鳴ってしまった。
耐久レースは私の負けであった。
私は気が短いのだろうか?
この5日間、ストレスで禿げそうであった。
・・・冬場ならまだしも。臭いんだもん。
結論。
家族への怒りを抑えることは本当に難しい。怒りをためて爆発させると危険なので、小出しにしたほうがいいと思う。一番いいのは物理的に距離をとること。
親の介護をされている皆様、良い対処法があれば教えてください!