「お父さんがいない!」

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「にゃにゃー!」
サンジが何か話かけてきた。
「うにゃー!」
家猫って、おしゃべりだ。普段は耳やシッポを動かしてジェスチャーで話すが、どうしても伝えたいことがあるときは、人を真似して鳴くのである。
ごはん! とか。
寝よう! とか。
起きろ! とか。
お父さんがいない! とか。
「にゃにゃんにゃ、にゃー!」
・・・そうだねえ。お父さん、いないねえ。いつもはこの時間にはもう帰ってるのにね。
私は甘えん坊のサンジを抱き上げて説明してやる。
今日、入院したからね。
でもすぐに帰ってくるから。
大丈夫だからね。

オヤジがいなければ私のひざに乗ってきます。無節操。

我が家は圧倒的な女系である。男子はオヤジとサンジの2人きり。そのためオヤジは「男どうし仲良くしような!」と毎晩サンジをひざに抱く。ちなみに、かなりの甘えん坊であることも2人の共通項だ。

仲間であるオヤジの姿が見えないのでサンジは心配なのだろう。家中うろうろと探しまわっていたが、やがてあきらめて私のひざにのってきた。
「お父さんも今頃は寂しくてきっと泣いてるよ」
と母が笑った。
たしかに、モフモフがそばにないって、それだけで泣きたくなるもんなあ。
・・・明日の手術、ちゃんとできるといいなあ。

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