Nintendo Switchを買いました。

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一日中ぼーっとして過ごしているオヤジのために、ゲームを買った。
買ってしまった。
ニンテンドースイッチ。
軽く吐き気がするような値段だった。
ゲームってこんなにお金がかかるものだったの!?

接続と設定がひととおり終わった頃、ちょうどオヤジが(競輪場から)帰ってきた。
近頃はほとんど口をきかず、ほとんど何にも興味を示さないオヤジが
「お」
と声をあげた。
・・・やってみる?
「やる!」

70才のオヤジが目を輝かせてコントローラーを握ったのは、スプラトゥーンでもなければスマッシュブラザーズでもなかった。そんな今時のゲームじゃない。「Dr.マリオ」と「バルーンファイト」。初代ファミリー・コンピュータのソフトだ。

ファミリー・コンピュータが大流行したのは1980年代。まだ30代だったオヤジは小学生だった私たちといっしょになってファミコンに熱狂した。「Dr.マリオ」や「バルーンファイト」は2人で遊べるゲームだから、私たちは毎日対戦したし、親戚の家へ遊びに行けばおじさんもいとこもみんな一緒に楽しんだものだ。

認知症のリハビリにも『回想法』というものがある。昔を懐かしむことで心をリラックスさせる心療方法らしい。母も私もひたすらに前へ前へと進むタイプだが、オヤジはそうじゃない。ゲームで楽しい時代を思い出すことはリハビリになるかもしれないと思ったのだ。

オヤジは自らゲームを手にとって、しばらく遊んでいた。久しぶりだから下手だった。私は仕事があったので
「あとで一緒にやろうね」
と言い残して出かけた。
「ん」
いつもどおり小さな返事しかかえってこなかった。
それほど楽しくないのかな、と思っていた。

だがついさっき。
夕食後、PC作業をしていると、オヤジがコントローラーを持ってきて
「やろうか」
と言った。
対戦しよう。「バルーンファイト」をやろう。そういう意味だった。
ここ数日、オヤジが自分から新しいことに手を出すことは全然なかったし、ましてや自分から私にコミュニケーションをとってくることもなかったので、ちょっとびっくりした。それにちょっと嬉しかった。

嬉しかったけど、私は「バルーンファイト」でめっためたに叩きのめしてやった。
そこはほら、勝負の世界だからね?
オヤジは情けなさそうに、でも笑ってた。

昔のファミコンに比べると今のゲーム機はボタンが多い。高機能すぎて、70才のオヤジには扱いづらいのだ。別売りの簡単なコントローラーを買おうと思った。

本日の猫写真。
遊んでほしいサンジ君のせいいっぱいの抗議。

しっぽで邪魔するのがサンジ流

私が高齢者になって、デイサービスに通うようになったとき、今のお年寄りがお手玉やおはじきを喜ぶように、レクの時間にファミコンがあると喜ぶのかもしれない。
「わあ懐かしい、『スーパーマリオ』だよう」
「『シティ・コネクション』は名作だねえ」
「もう一度『MOTHER』をやりたいもんだねえ」
とか言って昔を回顧したいなあ…。

あ、でも今は、スマブラやってみよう。せっかく買ったからね。