母と私の2人バイオリンも参加する、若者中心のユース・オーケストラのコンサートが間近にせまってきた。
もう来週が本番である。
なのにほとんど練習できていない・・・。
近頃いろいろありすぎて、ちょっと手が回らない状態なのだ。
それでも今日は練習に行った。
練習場に近づくと、ドアの隙間からバイオリンの音色が聞こえてくる。
チャイコフスキーの弦楽セレナーデ。
なんてきれいな曲だろう。
私たちも頑張らなくては!
・・・その前にトイレに行っておこう。落ち着いて弾けるように。
そう言って、私は母をトイレに連れていった。
今日はいつもと違う練習場で、ちょっと古い建物だった。
車椅子対応トイレがあることは知っていたが使うのは初めてだ。
どんなトイレだろう?
ちょっとドキドキしながらトイレのドアを開けて。
「あ、右側に手すりがあるね。よかっ・・・」
言いかけて止まった。
便座の右側にL字手すりがついているのだが、L字が逆を向いていたからだ。
初めて見る場所に手すりがついている。
「ものすごーく使いづらい」
母が呻いた。
それでもなんとかリハパンを下ろすと!
母はお腹を壊したらしく、地獄絵図であった。
だが悲劇はここからだ。
私が母の介助のため移動しようと、ちょっと動いたとき、とんでもないことが起こった。
「うぃーーーん」
機械音とともにドアが開いたのだ。
『施錠中』のランプが灯っているドアが開いた!
「きゃー!」
悲鳴をあげる私たち。
使用中のトイレがなんで勝手に開くのー!
トイレのドアはセンサー式だった。
手をかざすと自動で開閉・施錠するタイプ。
だがそのセンサーが絶妙な位置にあり、しかも過剰反応するのだ。壊れてるのかも。
1人でトイレを使うには大丈夫だろうが、介護者がちょっとでも動けば反応してしまう。
つまり、私がお尻拭きシートを取り出そうとしただけで
「うぃーーーん」
とドアが開く。
母の体勢を整えようと1歩動けば、また
「うぃーーーん」
とドアが開く。
トイレの真っ最中に何度も何度もドアがあく!
幸いまわりに人がいなかったが、下手したら露出狂の疑いをかけられてしまいそうだ。
「なんなの、このトイレ!!!!」
私も母もぎゃーぎゃー騒いで、そりゃもう大変だった。
ここのトイレは2度と使うまい。
長いことかかってようやくトイレを終え、練習場へ行ってみれば
「今、チャイコフスキーが終わったところです。これから1時間半は別の曲をやります」
って言われた・・・。
母のお腹がゆるいのも気になるし、お腹が痛くなってもあのトイレはもう使えない。
それに1時間半も待ってられないので帰ることにした。
来週はもう本番だというのに。
というか、次に参加できるのは当日、本番だけだというのに。
どうしよう・・・
本日の猫写真は、今日もPCの邪魔をしにきたサンちゃんです。