母に野菜を切ってもらうと…

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母はかつて料理が嫌いな人だったが、今では違う。
料理するのが大好きだ。
というより、包丁をもって料理の「お手伝い」をするのが好き。
自分一人でできることはほとんどないが、(私が手伝えば)食材を切ったり調味料を混ぜたりはできるので
「まだ、できることがある」
と感じられて楽しいのかもしれない。

が、私はまあまあ大変である。
今日も野菜を切ってもらったのだけど、まずは母専用のまな板を用意し、包丁をセット。ニンジンの皮をむき、薄切りにしておいてから、
「千切りでお願いね。細く切るんだよ」
と頼む。
「よし!」
母は意気揚々、右手一本で包丁をふるう。
ザックッザックザック。
かなり太い。
幅広の短冊である。
・・・細く切ってほしいんだけど。
「そんなこと最初に言ってくれないと分からないじゃないの!」
言いましたが?
結局、私が切り直した。

次はキュウリね。
これはサラダ用だから適当でいいよ。
「よし!」
母は再び気合を入れ、切り始めた。
が、10分経っても終わらない。
いつまで経っても終わらない。
見ると、キュウリはかなり細かな千切り・・・というかぼろぼろに刻まれていた。
「だって、細くして、って言われたから」
・・・それはニンジンのことなのですが。
高次脳のせいで、前に聞いた言葉がいつまでも残るのだろう。
ぼろぼろでも食べられるからまあいいや。

最後は水菜ね。
これもサラダにするから、ザクザクでいいけど、口に入る大きさに切ってね。
「わかった、サラダ用ね!」
気を取り直して母は切った。
ザク、ザク、
「できた!」
・・・えっと、これは、鍋用かな?
鍋からはみ出しそうだけどな?
「ちゃんと口に入る大きさに切ったよ!」
うん、馬の口ならちょうどいい大きさだね。
結局、ぜんぶ私が切り直した。
「だって、あんたが言うことコロコロ変わるからよ!」
母自身はちゃんとやったつもりだったので、すっかり機嫌を損ねていた。

母も調子のいいときは普通にできるんだけどなあ。
次は面倒がらずに
「こんな感じで切ってね」
とお手本を見せてから切ってもらうことにしょう。

本日の猫写真。

「いっしょにお昼寝をしよう」
と猫たちによく誘われます。一日中、猫たちとゴロゴロして過ごせたら。どんなに幸せだろうなあ。