ブログを読んでくださる皆様へ

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私はかれこれ18年くらいブログをつづけている。
一番古い記事は20代の頃で、『なんとなく花の道日記』というタイトルの日常日記だ。

2001年07月19日(木) たった今のできごと

・・・足音が聞こえる。
うたた寝をしていたのに、ふっと目覚めた。
足音は、この部屋のすぐ向こう、廊下を歩いていくようだった。
だが家の中には今、私しかいないはず。
とすると、この足音って・・・。
泥棒?
それとも幽霊か!?

どきどきしながらドアを開けると、そこには白っぽい・・・猫が。
近所に住む野良の、通称「シロクロ」ちゃんである。
「おーい、勝手に人ん家に入るな~!」
と私は怒鳴った。
「本気で怖かったんだぞー!!」
シロクロはものすごいダッシュで逃げていき、その後を、我家のどら息子あじゃりが追いかけて走っていった。
どうやら家の中で鬼ごっこをしている模様。

・・・・・・・・・・・・・

誕生日だしヒマだし、日記をつけようと思った。
なんかこう、かっこいい出だしはないものか。
後で振りかえって、
「そういえばあの日が原点だった・・・」
と懐古できるような出だし。
が、考えている間に寝てしまって、起きたらこのていたらく。
人生50年と言うならば、とっくに後半にさしかかっているのに、なんでこうもダラダラしちゃうんだろう。
ああ、そんなこと言ってるうちに日付が変わって、誕生日ももう終わったよ。

まあ。今とあんまり変わらない。
そのあとも日記だけじゃなく、宝塚歌劇の話や旅行記や、いろいろ書いてきた。役に立たないことばかり18年。何千記事書いたものか、もうわからない。

家族のつき添いで病院に泊まりこんだ夜も、お爺が亡くなった朝も。姪っ子が生まれた日も、サンジが初めて抱っこさせてくれた日も。仕事に潰されそうになっているときも、ブラック会社を辞めたときも。ずっとブログを書いていた。

宝塚歌劇のブログはものすごく楽しかった。この目で見たものを文章に書きうつすことがあんなにも楽しいだなんて!素晴らしい舞台を見たあとは、書きたくて書きたくてウズウズするくらいだった。本当に幸せだった。

旅行記は生存報告もかねていた。日本語を打てない激遅PCからでも書きつづけた、大事な大事な記録だ。

そんなにまでしてどうして続けるのか。どうしてブログなのか。どうして誰の役にも立たない独り言みたいな日記をだらだらとネットに流し続けるのか。

それはネットの向こうに人がいるからだ。
これはザンビアで書いた記事。

2010年3月3日 いっしょに旅を
携帯がつながらない日でも
ブログを更新できない日でも
毎日文章、書いてます。

私の旅は、伝える旅。
私の旅は、書く旅です。

私は弱い人間です。
浅はかで怖がりで、そして寂しがり屋です。
本当を言うと、怖いときもあります。
心細くて泣きたいときもあります。
どんなところでも平気だよ!っていえるほど強くないのです。
私はいま一人旅をしていますが
私の文章を読むとき
あなたは私の心のそばにいます。

だから、お願いです。
弱虫な私のそばにいてください。
私はできうるかぎりを言葉にとどめ
読んでくださるあなたといっしょに旅をします。
私といっしょに、旅をしてください。

…明日からまた僻地なのでネットカフェはないかと思いますが
いつか読んでいただくために言葉をためて参ります。
携帯が通じることを祈ってて下さい!

文章を書く時は、けして独り言ではなく誰かが読んでくださることを信じて書いている。つらいことも悲しいことも、言葉に表したら誰かが読んでくれる。わかってくれる。読んでくださる方が私の隣にいてくれる。そう思いながら書いている。だから私は何度でも同じ言葉をくりかえす。読んでくださる方がいるから書くことができるのだと。

2013年、新たな旅に出たその日のうちに「母が倒れた」と知らせがきて、トンボ帰りすることになった。たった1日しか使っていないバックパックを片付けた日はすごく複雑な気持ちだった。そこでこんな文章を書いた。

2013年3月17日 バックパックを片づけた夜
私はずっと書くために旅をしていた。
文章を書くための旅だった。
だからこんどは違う文章を書けばいいのだと。
まるで古い舞台のセリフのように。
戦争に志願したアポリネールのセリフのように。
「恋愛の詩も書いた、牢獄の詩も書いた。
今度は戦争の詩が書きたくなったんだ」
そうだ私はアフリカも書いた、中東も書いた、南米も書いた。
こんどは違う世界を書けばいいのだ。
今までたくさん旅ができたのは、ほかでもない、両親のおかげなのだから。
今こそ違う文章を書く旅にでよう!

今までとは違う文章を書く旅にでた私は、介護ブログを書くようになった。
いや、介護しながら自分の人生を楽しむブログだ。そうしてたどり着いたのが『おでかけは最高のリハビリ! 』。信じられないことに賞をいただくことになった。

18年のあいだにブログの内容も変わったし文章も変わった。昔のほうが文章はうまかったかもしれない。昔のほうが楽しい文章を書いていたかもしれない。でも、これからもまた変わっていくだろう。この先、自分がどんな文章を書くことになるのか楽しみだ。

そう思ったとき、どうしても…皆様にお礼が言いたくなったのです。

私の文章はブログを読んでくださる皆様につくっていただいたものです。本も皆様のお力で書くことができました。ここまでこれたのも皆様のおかげです。本当にありがとうございます。ぜんぜん成長しない未熟な私ですが、これからも宜しくお願いします!

今日は記事を書くのが遅くなりました。サンジ君が「夜のおやつまだ?」と催促しております…。

コメント

  1. はじめまして。
    要介護4の実母を在宅介護しています。
    長くブログを読ませていただき、本も購入致しました。

    面倒に感じていた車椅子の母との外出をいつしか楽しめるようになったのも、ともすれば薄暗い気持ちになりがちだった在宅介護を前向きな気持ちで進めることができるようになったのも、だださんの文章のおかげです。
    ずっと沈黙の読者でしたが、一言お礼を申し上げたく初コメさせてもらいました。
    こちらこそ、ありがとうございます。
    貴女の綴る言葉達は、介護に対する視点の広がりと考え方の変化を私に与えてくれました。
    これからも楽しみにしております。

    • みゃもさん、はじめまして!
      私の文章をたくさん読んでいただいてありがとうございます!
      そして毎日の介護お疲れさまです。
      …車椅子で外出するのって、面倒くさいですよね(笑)
      大きな声では言いませんが、エレベーターを探したりトイレを探したり、本当にもう面倒くさいことだらけ!
      おかげでその辺りのバリアフリー情報には詳しくなります。
      すれ違う方に声をかけていただくこともあります。
      いろんなことがありますね。
      お互い楽しんで参りましょう~!

  2. はい!よろしくお願いいたします。
    書いて下さるだださんと同じくらい、読ませて頂ける私も感謝してます。
    いつもありがとうございます!

    • あきさん!
      いつも、そして長いことお付き合い頂いて、ありがとうございます!
      これからも宜しくお願いします!

  3. 私も初めてコメントさせていただきました。いつもありがとうございます。
    強くて優しいだださんにいつも励まされ、憧れています。
    自分の心の置きどころを教わっています。

    私たち読者ひとりひとりが、読んでくれている誰かになれたらうれしいし。
    私たち読者同士が、隣に存在している頑張る誰かになれたらうれしいです。

    今日も、明日もがんばろっと。

    • まるちゃんさん、はじめまして!
      お褒めいただいて光栄です。
      が私は強いどころか泣き虫だし、たぶん優しくなんかないです。
      両親には「あんたが一番怖い」と言われています(笑)
      ネットでお顔を見ることはできませんが、SNSのその向こうには誰かがいます。
      絆・絆といいながら人と人との繋がりが希薄になっている昨今ですが、顔の見えない誰かのために言葉を発信し、また誰かのためにその言葉を受け取っていけたらいいですね。

  4. お久しぶりです。

    書き込み、すっかりご無沙汰してしまいましたがブログは毎日欠かさず拝見していましたよ。

    いつもポジティブで毎日を楽しく過ごされてるだださんの御家族、可愛い可愛いサンジ君とシシィちゃん、だださんのブログを読んでいつも元気を頂いていました。

    遅ればせながら、受賞おめでとうございます!

    これからもブログ楽しみにしていますね!!

    • お久しぶりです。そして、ありがとうございます!
      お元気でいらっしゃいましたか?
      サンジは元気で相変わらず可愛いですよ!
      今はシシィにいじめられてちょっと泣いてますが(笑)。
      アホな家族ですが楽しんでもらえれば嬉しいです。
      これからもよろしくお願いします!

  5. 先日の山ちゃんの結婚会見で確かしずちゃんが言ってた
    「真面目にコツコツ頑張ってたらいい事って本当にあるねんなぁ」
    まさにだださんの今回の受賞はこれだーって思いました。
    だださんのブログや本でたくさんの人が共感し、勇気づけられたと思います。
    私も親の介護で悩み孤独だった頃、たださんのブログに出会えて前向きに頑張る力をもらいました。
    ありがとうございます。
    これからも楽しみにしています。

    • たまさん、ありがとうございます。
      私は奇跡は信じない人間なんですが、生きてればこういうこともあるんだなあと思いました。
      世界中を旅をして
      「結局はコツコツ働いてる人が一番えらいな。私もそうなりたい」
      と思いながら帰ってきました。
      この先もブレることなく地味に地道に働いて、笑って書いて皆さんに楽しんでいただければと思います。
      これからもよろしくお願いします!