隅から隅まで役に立つ!『ムリなくできる親の介護』

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ようやくまとまった時間ができて読むことができました! ブロガーにして介護作家・工藤広伸さんの4作目『ムリなくできる親の介護』。Amazonの売れ筋ランキング、カテゴリ1位☆に輝いた本です。おめでとうございます!すごいなー!

コーヒーブレイクのお供

4コマ漫画で要点をまとめるなど、今回もとてもわかりやすい内容になっています。介護はまだ先のことと思っている人も、これから介護を始める人も、私のように在宅介護まっただなかという人も、誰が読んでも役に立つ一冊です。

漫画も可愛らしいのですが、グッときた文書をいつかご紹介していきます。

介護を知らない34歳の自分と、介護を知り尽くした46歳の自分。同じ人間でも、備えや知識があるかないかでこれだけ大きな差になる

(第一章 親が倒れた!最初に何をすればいい?より)

これはねえ、もう肝だと思う。介護を始めるとき知識があるかどうか。介護はある意味、情報戦。何をどうすればいいか、どこに相談してどんなサービスが使えるか。知識がなければ途方にくれるばかりです。

…だが時には知識が邪魔をする。私は母の介護を始めるときすでにある程度の知識があった。ちょびっとヘルパーをしていたし祖父母や妹の介護も関わっていたから。だから知っているからこその恐れがあった。介護の恐ろしさを知っているからこそ、尻込みしてしまったのだ。まあ、そんな話はこの本には関係ないか。

細かいことかもしれませんが、この本で初めて知ったこともたくさんあります。

育児中のパパやママはたくさんいるのに、介護をしている人は自分の介護をひた隠しにしています。誰かが介護の話をすると「実は自分の母も……」

えっ、そうなの!とびっくりしました。

これはたぶん、私の環境がわりと特殊(障害者のきょうだい)だから、というだけでなく、男性と女性の違いもあるのように思います。女性はわりとオープンに話す人が多いのではないでしょうか。介護始めると愚痴りたくなるし。若い人は隠したがるのかな?

介護を自分事で考えるには、自分が老いて介護を受ける側になったときのことを想像する

これも、そうか! と感心しました。私にとって介護は昔から身近すぎて、近すぎて。常に介護を『する側』にいるから、逆に『される側』になる想像がなかなかつかないのです。そういう時は必ずくるはずなのに。介護者としてそれを考えておくことは、被介護者の気持ちになって考えることはとても大切だと気づかせてもらいました。

「元気な親に聞きづらいかもしれませんが、財産の状況を聞き出してください」(中略)介護が必要な家族に財産があるかないかで、子どもたちの人生が大きく変化する

・・・本当に本当に本当に! 心底、そう思います! お金のことを知っておくのってむちゃくちゃ大事。

うちは母が倒れたときしばらくお金を引き出せなくて困りました。介護費用として本人の財産を使うための成年後見人や家族信託という制度についても述べられていて勉強になります。

初めて聞いた言葉もありました。
『Zarid 介護負担尺度』
介護疲労度を測るテストです。介護者が22個の質問に答えて自分の疲労度を点数化する、というもの。0点~88点で、点数が高いほど介護に疲れているということになり、私は21点でした。全然疲れてないつもりだったけど・・・うーん、そこそこかな? 客観的にみないとわからないものですね。

自分のことではないけれど知りたかったことも載っていました。同居介護じゃない場合で、ヘルパーが使えない事はどうするのかという問題です。たとえば「一人暮らしの家で電化製品がこわれたとき」、遠方の家族はどうすればいいか? 同居なら問題にもならないことが、離れて暮らしていると大変なわけで、それぞれに工夫をしていらっしゃるなあと勉強になりました。

私は在宅介護しながらヘルパーもやってるんですが、そういう面で耳の痛いことも書いてありました。『マンガで読むじっくりポイント「いいプロの見分け方とは?」』です。結論は、いいプロとは「技術や情報より人間性が大事」。はい…頑張ります…人間性…ちょっと自信ない…。

長くなってきたのでここまでにしますが、この他にも高齢ドライバー対策や、なるべく高くとろうとする葬儀屋とのたたかい方、親の死後の不動産の処理まで、ノウハウは多岐に及んでいます。

おすすめなので、是非!

あっ、ついでに私の本もよろしく!

私は工藤さんに影響されて、というか教えて頂いて本を出せたので。
たまには宣伝しときます!

さて本日の猫写真。
相変わらず私を追いかけまわすシシィさん。

90才のおじいちゃんの言葉。

「昔にくらべて、人間どうしの関係が薄くなってるんやろうなあ。親と子も、妻と夫も、昔はそう簡単に別れ別れになることはなかったけど、今はみんな自分が大事な時代やろ。みんな別々に生きるようになった。別々に暮らして、別々に生きて、別々の幸せで、それで最後は孤独死やろ。なんだか、悲しいなあ。別々に生きることは、そんなに大事なんかなあ。そんなに自分って大事なんかなあ、それが幸せなんかなあ。わしには、わからん」

・・・私にも、わからん。

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