私たち家族にできること

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きのうの夜、シシィが母の部屋でうろうろしていた。あちこちを嗅ぎまわり、ベッドの下にもぐったり、布団を荒らしたり、何かを探しているようだった。挙げ句、私の顔を見つめて大声で訴えた。
「ニャニャー!(おかーさんがいない!)」

いや、遅いよ。
入院してからけっこう経つよ。
「大丈夫。すぐ帰ってくるよ」
となだめておいた。

母は今日も朝から検査を受けた。
結果がでてから先生の話を聞きにいく。
「数値がよくなっていますから大丈夫でしょう。まだ点滴は必要だけど、来週いっぱいで退院できる・・・と思います」
よかった!
クリスマスには間に合う!・・・と思います。

だが喜んでばかりはいられない。母は
「トイレに行きたい」
と言っていた。
「今日やっとウンチが出たの。でもトイレに行かせてもらえないから、オムツの中にしたの。」
すごく悲しい顔だった。どうやらお医者さんの許可が下りないらしい。許可が下りたところで、ちゃんと立てるかどうかも分からないから、介助は2人必要だろうし。看護師さんもなかなか手が回らないだろう。

トイレは母にとって唯一無二のリハビリだ。たとえ数日でもトイレに行かず、寝たきりだったら簡単に立てなくなってしまう。退院したはいいがトイレに行けないんじゃ大変だから、見舞のたびに筋トレをしてやらなくてはいけない。

それだけじゃない。
高次脳機能障害が明らかに悪化している。

熱が高かったときは軽いせん妄状態だったが、今は、
「◯◯君が来てくれた」
「◯◯さんがテレビを修理してくれた」
「だだが結婚したがってる」
とまあ明らかな作話のオンパレード・・・最後のやつ、何なん!?

左半側空間無視もひどくなっている。テレビもテーブルも全てベッドの左側にあるから、何も見られないし何も使えないという有様。見かねた妹が
「このままだと高次脳機能障害がすすんでしまう」
と看護師さんに訴えた。
「家具とベッドの位置を反対にしてほしい」
しかし家具もベッドも向きを変えることはできない。通路をはさんだ反対側のベッドに移るしかないが、今のところ場所を代わってもらえる人が見つからない。空きが出るまでしばらく待ってくださいと言われた。まあ仕方がないのだろう。

病気のことはお医者さんに任せるしかない。私たち家族にできること、私たちにしかできないことは、母の脳みそを刺激しつづけることだ。たくさん話しかけ、たくさん笑わせ、いろんなことをさせてやり、いろなものを見せてやる。ベッドの上でもできる限り、楽しいことを見つけていく。私たちにできることは・・・母が母自身でありつづけるための努力を手伝うことだ。がんばろう。母は頑張っているのだから。

コメント

  1. お疲れ様です。
    家族にとってはたった一人の母上でも、病院にとっては大勢いる患者の一人に過ぎない現実もありますからね。
    でも、左半側空間無視と高次脳機能障害からのベッド位置変更を強く訴えられたことは良かったと思います。
    単なる愚痴や雑談だと思われて聞き流されちゃうと、正式にはそういう情報が上がっていないとされて、なかなか病室交換してくれないですから。
    水道のことやら色々いちどきに起こってだださんも大変でしょうけれど、身体に気をつけてちゃんと休養もしてください。
    母上のせん妄の最後のは、親心ですね。
    幾つになっても親は子が心配なんですよ。

    • ありがとうございます。
      言うべきところは言わないと、ですよね。
      早く引越し先が見つかればいいのですが・・・。

      言いにくいのですが母が入院してくれたことで私の生活は普段よりも楽になっております(笑)
      姪っ子たちも成長して家事を手伝ってくれますし。
      >母上のせん妄の最後のは、親心ですね。
      そうですね・・・母の妄想は願望からくることが多いので。困りますわー。

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