家族と仕事のユマニチュード

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NHKの『ためしてガッテン』でユマニチュードをとりあげていた。
認知症の人が劇的変化! “アイコンタクト”パワー全開SP

ユマニチュードはフランス生まれの介護方法。アイコンタクトやボディタッチで「あなたは大事な人ですよ」と伝えながら介護する。(ユマニチュード勉強中です。間違ったこと書いてたらごめんなさい。)

以前、うちの事業所でも勉強会をやったことがあるんだけど・・・
「えーと、これって普通のことなんじゃない?」
本を読んだだけなので、全員ピンとこないまま終ってしまった。ためしてガッテンのほうがずっとわかりやすい!

まとめられていた「介護のコツは」こんな感じ。

・正面からゆっくりと目をみて話す(認知症など障害で視界が狭くなっている人が多い)
・ていねいにお辞儀をしない(お辞儀したら相手の視界からはずれてしまう)
・ほどよい距離感を保たない(健常な人よりもかなり近づいて話す)
・テキパキしない(ゆっくりと動くことで安心感を与える)
・常に話しかける(沈黙は無視されているように感じるから)
・間違いをなおさない(否定ではなく提案をする)
・触れる(指ではなく手のひらで、ゆっくりと触れる)

番組でやってたのはこれくらいかな?(サイトにはもう少しありました

私は「へー」と思いながら見てた。
が、隣で見ていた母が
「わりと普通じゃない?」
とつぶやいた。

うん、そうだね。
わりと普通。

思い返してみれば、上に記した「介護のコツ」はすべて、母が妹に対して実践していたことだ。たぶん母親の本能なんだろう。(私はぜんぜんやってなかった)

そして5年前。脳内出血で倒れ、長い入院生活から帰宅してきた母・・・妄想ばかりみてときどき不穏になっていた母を介護するとき、私は
「かつて母はどうやって妹を介護をしていたか」
を思い出していた。
目をみて話し、常に体に触れ、抱きしめ、妄想につきあい、楽しい話をいっぱいする。どこまで実践できていたか分からないけど、まあまあよかったんだろうなあと思う。

でも・・・仕事では!
仕事での介護は、なかなかそうはいかん!

忙しいからついバタバタ動き回っちゃう(よく叱られる)。正面から目を見る、というのも、忙しさにかまけて忘れてる時がある。用事しながら、つい横や後ろから声をかけてしまう。家族でもないのにハグするのは相手も抵抗があるだろうと遠慮する。・・・あ、無駄話は得意だからずーっと喋りかけてる! 私これだけはできてるかも!

私はまだまだだけど、先輩たちはみんなできてることだから、ちゃんとしたヘルパーにとってユマニチュードはもしかして
「わりと普通のこと」
なのかもしれないとも思う。

でもな!でも!
家族介護だろうが仕事だろうが!
ユマニチュードなんてクソ食らえって気分になるときも、あると思うのですよ。何日も寝かせてもらえないときとか。食事もまともに食べさせてもらえない日とか。30連勤の真っ只中とか。100人を1人でみる夜勤とか。殴られてめっちゃ痛い時とか。無理だよね。ユマニチュードって、ある程度、心の余裕がないとできないことだと思う。ユマニチュードができる環境づくりから始めなくちゃね。

正面から目をみつめようが抱きしめようが優しく話しかけようが、うちの妹はゴジラみたいな雄叫びをあげつづける。

ユマニチュードが流行ってるから言いたい。
ユマニチュードはすばらしいし、とても大事なことだと思う。でも、万能じゃない。魔法じゃない。
すべての人、すべての状況に対応できるわけじゃないと思うし、すべての人に劇的な変化が訪れるわけじゃない。
「介護がうまくいかないのはユマニチュードを実践していないからだ、愛情が伝わってないからだ、一人の人間として大切に介護していないからだ」
とか、知らない人に言われたらすごく嫌だなあって思う。

本日の猫写真。

ネズミさんと遊ぶシシィさん。

猫がアイコンタクトをとってくる時は、たいてい
「ごはんくれ」
「ドアを開けろ」
「トイレを掃除しろ」
のどれかです。

コメント

  1. テレビで取り上げてもらえるのはすごく良い啓蒙だとは思いますが、中途半端な知ったかぶりも増えるのでねえ。
    「テレビでやってたけど〇〇の△△っていうやり方が良いんだって」
    …うん、その前に実際におシモ仕事やってから言って欲しいですわ〜って思ったことは数知れず(笑)

    • そうなんですよね。
      またテレビは何でも「魔法のメソッドです!」みたいに宣伝するから…
      アトピーの治し方とかも、うんざりするくらい多種多様あって、いろんな人がいろんなことを教えてくださって。
      そんなもんで治ったら苦労せんわ!みたいなのもありますよね。
      中途半端はほんま困ります…。