お泊りじゃなくてもいいよ

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施設で暮らす妹が帰宅するのは月に一度だけ。それも日帰りだ。私が週6日仕事なので、それ以上はどうしても無理なのだ。

言葉がほとんど話せない妹は、私が迎えにいくといつも全身で喜びを表現してくれる。満点の笑顔をみせてくれて、私の名前を100回くらい呼んで、車の中では
「かえるー!かえるー!」
と大声で叫ぶ。

だが家に帰ってきても、とくに外食したり遊びに行ったりはしない。帰り道でSAに寄るくらいで、あとはずーっと寝転んでテレビをみて、だらだらとお菓子を食べている。まるで昔と同じように。大きな音で音楽を聞きながら『世界ふしぎ発見!』を観るのが至福の時なんだって。

来月は地元で夏祭りがある。妹が楽しみにしている夏祭り。妹にとってはなつかしい友達に会える機会なので、毎年、参加させてもらっている。

問題は、このお祭りが夜に行われることだ。施設の門限に間に合わないため、夏祭りに参加したときは一泊して帰ることになる。でも・・・

その日はお祭りに参加して、家で泊まろうか、というと、妹は
「イヤ」
と言ったのだ。何度もききなおしても
「イヤ」
と言う。

こんなことは初めてだった。妹は家に帰るたびに大喜びするし、施設に戻るときはいつもしょんぼりしていたから、てっきりお家大好きなんだと思ってた。
なのに今日初めて
「お泊りはしなくていい」
という意思表示をした。

理由はわかっている。家に泊まればつらい夜を過ごすことになるからだ。不眠症の妹は、夜になると眠れなくていらいらしてギャーギャー叫ぶ。恐竜のように叫ぶ。私を奴隷のようにコキ使い、言いたい放題やりたい放題、それでいつも大喧嘩になる。次の日、私は睡眠不足でフラフラのまま運転をすることになる。(去年はこんな感じ

あんな夜は・・・幸せな帰省からは程遠い。妹だってつらかったのだろう。もしくは、私がつらいことを理解していたのだろう。その両方かな。だから
「お泊りはしなくていい」
と言ったのだろう。
そうは言いながらも、本心では「もっとお家でゆっくりしたい」と思っていることが表情からうかがえるのせつなかった。

ごめんな。私がもっと寛容で優しいおねーちゃんだったら、穏やかな夜を過ごせる(かもしれない)のに。・・・ま、そこはお互い様やけどな!

施設のひとは
「まだ日にちもあるし、ゆっくり考えましょう」
と言ってくださった。

本日の猫写真。

母のベッドを占領するシシィさん。
「この枕は渡さないわよ!」
とか言ってる。邪魔。

コメント

  1. シシィさんの眼 この眼 この眼 ミケ猫独特のこの眼に我が家の男どもはメロメロなんです。( ̄▽ ̄)うちのミケちゃんとそっくり⁉️
    妹さんの心 泣けます。だださんの心 愛おしい。
    今、病院で義母の心臓近くの血管カテーテル手術の順番を10時間待ち続けているけど、がんばろ!1番辛いのは義母だものね❗️

    • さゆさん、お疲れ様です。
      お義母さんの手術は無事に終わりましたでしょうか。
      大変なことがたくさんありますね。
      いいこともたくさんやってきますように!