ムール貝を買ったはいいけれど

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私は食べることは好きだけど、料理はダメだ。曾祖母・祖母・母・私と4代つづく筋金入りの料理下手の家系なので、絶望的にセンスが無い。こんな私がヘルパーとして調理の仕事をするなんてもう、本当に申し訳ない話であると思う。

私にとっては毎晩のゴハンづくりも修業である。毎日2時間くらいかかるのだ(母のトイレに忙しいから)。

今日は食材探しに入ったスーパーでこんなものを見つけた。

冷凍のムール貝。
産地はカナダのプリンスエドワード島。

プリンスエドワード島!
『赤毛のアン』の舞台だ。母は赤毛のアンが死ぬほど大好きで、高次脳のせいでしばらく文字が読めなかったのに『赤毛のアン』のおかげでまた本が読めるようになったくらいだ。

「赤毛のアンの島」で採れた貝だっていうと母はきっと感動するだろう。
そう思って一袋買った。

買ったはいいが。
さて困った。
ムール貝って何やっけ?
どないして食べるモノかいな?
さっぱり見当がつかない。
料理上手な人なら、ささっと作っちゃうんだろう。
「てきとうに味つければいいじゃない」
ってよく言われるけど、てきとうが分からんのが料理下手である。
ネットを探せばレシピはあるが、それすらもよくわからなかった。

ムール貝。
ムール貝ねえ。
どこかで食べた気がするぞ?

一生懸命、記憶を探り、出てきたのは
「ミディエ・ドルマス!」
だった。
トルコ料理でね。イスタンブールの波止場なんかに屋台がでてて、旅行中はよく食べた。二枚貝のあいだにピラフを挟んでレモンをかけて…おいしかった。それが私の唯一思い出せるムール貝の料理。

てなわけで、作ってみた。
ミディエ・ドルマス風の…何か。

ピラフがお粥になってしもうたわ。

母が
「あんたの手にかかると、プリンスエドワード島の貝がトルコ料理になるのねえ」
としみじみ言った。
アサリの味噌汁でも作ればよかったか。

あ、でも、それなりにおいしかったです。

本日の猫写真。

「シシィ、どいて!ひくよ!」
と母が脅しまくってますが、知らん顔…。

母は近頃、自走式車椅子に挑戦しているんですが、なかなかうまくいきません。猫が逃げないくらい進まない。
この話はまた後日。