奇跡のノーミス!

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母はテレビが大好きだ。毎晩、ごはんを食べながら楽しそうにバラエティ番組を見ている。
今夜見ているのは
『関ジャニ∞のTheモーツァルト 音楽王NO.1決定戦』
若いピアニストが集まり、誰が一番ミスなく弾けるかを競っているらしい。私は用事をしながら片耳で聞いていたのだけど、テンポの速い曲ばかりが流れていた。きっととても難しい曲なのだろう。鍵盤の上で十本の指がくるくると走りまわっているような曲。
『信じられません! 奇跡のノーミスです!』
アナウンサーが吠えた。
『一音の狂いもありません!』
すごいなあ。
器用だなあ。
と、感心していたら、
「奇跡のノーミスです!」
テレビを見ていた母が突然、大声をあげた。
「ひとつの狂いもありません!」
・・・おかーさんどうしたの?
「あのね、私もノーミスなの!」

鼻やヨダレを拭くために、母はたくさんティッシュを使う。使い終わったティッシュを捨てようとしたら、ゴミ箱が少し遠かった。その距離1メートル弱。
「えい!」
と投げたら見事に入った。いくつか投げたけど、ぜんぶ入った。それで嬉しくなって
「奇跡のノーミス!」
と叫んだらしい。

なんてどうでもいい話なんだろう、と私は思ったが、母はご機嫌だった。

「私はピアノをあんなふうに弾けないし、バイオリンだって前みたいには弾けないけど、ティッシュくらいは上手に投げられる。なんでもいいのよ。うまくいけば、なんだって楽しいでしょう?

ティッシュひとつで楽しくなれる。プロのピアニストの超絶技巧もすごいけど、母のポジティブ思考も負けないくらいすさまじいと思った。
「いつか『ティッシュ投げ』が正式な競技になってパラリンピックに出られるかもしれないじゃないの!」
母は大笑いしている。
誰か競ってあげてください…。

本日の猫写真。

日向ぼっこするふたり

元野良のサンジは、今でもお外に出たいみたい。春がきたのでソワソワと落ち着きません。