料理上手という不幸

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私はぶきっちょで料理が下手だ。難儀だなあ、と思っているのだけど・・・
こんな話を聞いた。

昔昔あるところに料理の得意な人がいた。プロではないが自分の腕に自身があったし、舌も肥えている。だから常々
「本当に良いものしか食べちゃ駄目。舌が鈍るわ」
と言っていたそうだ。
しかしその人も年をとり、病気で手が動かなくなって料理ができなくなった。仕方がないからスーパーのお惣菜でもと買ってみたが、
「まずくて食べられない!」
宅配のお弁当をとっても
「あんなべちゃべちゃしたもの!」
ヘルパーが入り、一緒に調理しようとしたが・・・イライラしちゃうらしい。
「だって、基本がなってないんだもの」
プロの調理師さんの料理は食べるらしいから、本当に美味しいものしか食べられないのだ。ほかにも趣味はあるけれど、食べることからは逃れられない。まずい食事に日々苦しみ、この先施設なんかに入ることになったら、ごはんがまずくて死んでしまうと本気で心配しているのだそうだ。

料理上手が過ぎるより、ちょっと下手なほうが、ひとの作ってくれたものを何でも「美味しい美味しい」と食べられるから幸せなのかもしれないと思った。

本日の猫写真。サンジ君のどアップ。

引きの写真が撮れないときは、部屋が散らかってるときです。

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