障害児の親の死後

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「またその話か」と思われるかもしれないけれど。

千葉で、弟が姉に殺されるという事件が起こった。弟には知的障害があり姉夫婦と3人で暮らしていたそうだ。姉は
「弟が職場に迷惑をかけて悩んでいた」
と供述しているという。

知的障害のせいで殺人に至ったかどうかは分からない。障害があってもなくても殺し合う兄弟はいる。恨み合う兄弟もいる。だけど健常な兄弟なら、互いから離れ、相手から逃げることもできたかもしれないのに。なんだかやりきれない。

重度知的障害者の息子(成人)をもつ母親に、自分の死後のこと考えてますかって尋ねたことがある。施設見学とかしてますか?と。
そしたら
「考えなくちゃとは思ってるんだけどねえ。まあどこかには入れてもらえると思う」
どこかって?
アテはあるんですか?
「○○○事業所がねえ、いつかグループホーム作るって言ってるから」
いつか、なんて・・・。
そんなの実現するか分からないでしょう?
「でも、うちにはお姉ちゃんがいるから大丈夫。弟のこと可愛がってくれてるから」

ほんとこれ多いんだけど、やめたほうがいいと思う。
可愛がってても無理なときは無理なんだよ。
愛情だけで介護はできない(もちろん、うまくやっていける場合もあるだろうけれど)。

家族の介護を手伝うということと、自分が主介護者になることとは全然、違う。しんどさが違う。親とのダブル介護、トリプル介護になったら目も当てられない。私が言うんだから間違いない。

障害児の兄弟は、親よりも長くその子と共に生きることになる。医学の進歩のおかげで、70才80才まで介護が続くかもしれない。同居の場合、兄弟の人生にどれほどの影響を及ぼすことか。

うちの妹は幸運にも入所することができたが、母が長年そのための準備をしていたからこそ受け入れてもらえたのだ。施設の数はごく少なく、空きはもっと少ない。障害が軽度だとなおさら難しいだろう。今現在、苦しんでいる兄弟たちをなんとか救える術があればと思う。

本日の猫写真。
見返りシシィ。

最近、家のまわりを野良猫(オス)がうろうろしている。
もしかして女の子の匂いを嗅ぎつけてきたのかな?
でもサンジが守ってくれるから大丈夫だよね!(外に出さないし)

明日はもっと明るい記事を書きたいなあ。

コメント

  1. だださん少し心配しています。だださんが今いっぱいいっぱいで追い詰められているように感じました。私は何度も限界を感じながらもなんとか乗り越えてきました。今はとにかく毎日を積み重ねているだけです。主介護者の精神的肉体的負担は、経験した人でないとわかりませんが、だださんのそばにどなたか理解して心の支えになる方がおられればと思います。

    • ありがとうございます。
      妹が帰宅して泊まったときはかなりいっぱいいっぱいです(笑)
      日帰りにすればいいんだろうけど、でも可哀想かなあって思うし・・・
      難しいところです。
      親の介護夫婦の介護はよくありますが、兄弟の介護は少ないので話し合える人はなかなか出会えませんね。
      あ、心の支えは猫です(笑)

  2. だださん こんにちは。
    私のとこも娘ふたりで次女のほうが寝たきり重度重複です。
    長女は二十歳くらいまでは次女を可愛がり面倒もよく見てくれました。とてもたよりになりました。
    でもだんだん離れて行きやんわりと拒否まではいきませんがNOという意思表示をするようになりました。正直寂しい気持ちだったりなんて冷たいんだろうと思ったり…
    長女はたぶん 良いお姉ちゃん をやめたんでしょうね。(そのことに触れたことはありませんが)

    わかっているんです。
    所詮私は母親の立場でしか考えられません。
    兄弟姉妹の心情は想像するしかなく、想像できてもやっぱり母親の考えが全面に出てしまうというか。
    長女は次女のことで親をせめたことないです。
    でも親に言わないだけで辛いこと寂しいことたくさんあったんだろうなぁって思います。
    本当は 「普通の妹でなくてゴメンね。」と言いたいです。でもそれを言ったら次女を否定することになるから絶対に言いません。

    妹さんの入所、正しい選択だと思います。よく決断なさいましたね。

    ただ妹さんが帰ってみえる日は頑張り過ぎです。
    だださんが壊れてしまいます。

    私なんか(精神的には可愛くて仕方ないですが)手はいっぱい抜いています。
    だってそれとこれは別なんです。笑

    なんかとりとめのないこと長々と書いてしまいました。ごめんなさい。
    どうぞお身体だいじにしてくださいね。(←これが言いたかった)

    • こんにちは。
      お話聞かせてくださってありがとうございます。

      キナコさんとは逆に私は母親の気持ちをわかってあげることができません。
      子供の頃は責任もないし無邪気な関係でいられますが、大人になるといろいろ考えるもの。
      私の立場から見れば、長女さんの反応はとても自然なことに思えます。
      姉には姉の、妹には妹の人生があり、ご自身を守るために必要なことだと判断されたのでしょう。
      >本当は 「普通の妹でなくてゴメンね。」と言いたいです。
      これはちょっと違うんじゃないかなあと思います…。

      人って、やらなくちゃいけないと思えば思うほど嫌になるものですよね。
      逆に我が家は妹を施設に入れたため、ほとんど何もやらなくていいんです。
      やらなくていいからこそ
      「帰宅したときくらいは、ちゃんとやろう」
      と思って頑張ってしまいます。
      まあ、大声で叫ぶので放置できない、という理由うが大きいですが…。

      差し出がましいことを申し上げてごめんなさい。
      私の母からの伝言です。
      「『お姉ちゃんも妹も同じように愛してるよ』って伝えてあげてください」
      だそうです…。