猫とケンカする。

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私はよく猫とケンカをする。
といっても、サンジはおとなしいからケンカにはならない。ちょっと叱ると
「ごめんなさい、ごめんなさい」
と足にスリスリして謝ってきちゃうから。

シシィは気が強いから、叱られても
「なによ!」
と言い返す。
今朝なんか酷かった。シシィったら、寝ている私の顔を踏んだのだ。しかもツメを出したままで駆け抜けた。ツメが頬にぐさりと突き刺さって
「あ痛っ!」
思わず声をあげた。猫に踏まれて顔から流血なんて最悪な目覚めだ!

「もう、何すんのよ!」
「ニャ!?」
「かなり痛かったやん!」
「ウミャー!」
「とりあえず私の上からどいてよ!」
「ミャウウウウ!」
力づくで胸の上からどけると、シシィはぶうぶう不平を言った。
「ニャオウウン、ミャウミャウ、ミャア! マウウ!」
・・・よく喋るなあこの子・・・。

シシィはすっかり拗ねてしまって、朝食の間もずっと私に背を向けていた。背中を見せるのは
「あたし怒ってるんだからね!」
という怒りのポーズ。
「・・・シシィ、まだ拗ねてるの?」
声をかけても返事もしない。ツーン! といった様子で窓を見ているフリをする。
「わかったわかった、じゃこあげるから機嫌なおして」
「じゃこ!じゃこ!食べるニャー!」
シシィは一目散にとんできて、昨日の残りのおじゃこをガツガツと食べた。そして
「おいしかった♪」
ごろごろいいながら私の膝にとびのってきた。仲直り、完了。


(サンジはシシィが相手でもすぐに「ごめんね」と折れます)

さっき見ていた古い映画で主人公がこんなことを言った。
『もし君が朝起きて小説のことしか考えられなかったら、それは君が小説家だということだ。もし君が朝起きて歌のことしか考えられなかったら、それは君が歌手だということだ。』
・・・私は朝起きたらご飯のことしか考えられない。
と呟いたら母が
「それじゃああんたは、ご飯だ!」
と言った。私の正体、ご飯らしい。せめて人間になりたい。

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コメント

  1. サンちゃんとシシイちゃんの関係から、かかあ天下という言葉
    を思い出しました(笑)
    だださんがご飯なら、私は何だ? 
    朝の99%は猫に無理やり起こされて、ボワァ~っとしたまま
    要求に従いキッチンへ向かいます。
    なので私は、猫のご飯。
    いちおう出資者だから、あながち間違いでもない?(笑)

    • かかあ天下!には若すぎるかなー(笑)。
      でも最近シシィがときどきサンジのことを
      「困ったお兄ちゃんねえ」
      と見下ろしている感はたしかにあります。
      >なので私は、猫のご飯。
      めっちゃ笑いました~!
      たしかに私も猫のご飯かも。

  2. おかえりなさい。
    移動してからも時々覗いていました。
    ワンポチで応援の気持ちが表せるので
    戻ってもらってよかった。
    以前にもコメントを寄せたことがあるのですが
    そのときのハンドルネームを忘れちゃいました。
    新しいネームですみません。

    • はーい、ただいまです!
      以前のハンドルネーム・・・どなたでしょうか気になります。
      応援のクリックはとても励みになります。ありがとうございます!
      これからもよろしくお願いします。

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