母の誕生日

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競泳の池江璃花子選手がまた日本新記録を出した。
しかも今日は池江選手の21才の誕生日だった。
そのニュースを見て
「バンザイ!」
母が大喜びした。
「私、池江璃花子ちゃんと誕生日が同じだ、やったあ!」

そうなのだ。
今日は母の74才の誕生日。
盛大に祝ってやらないといけない(義務)。
プレゼントは例年どおりの「丸ごとスイカ」だ。

満面の笑みでスイカをなでまわす、なでまわす

「スプーンですくって食べる!」
というから真っ二つに割ってやった。
けれど
「・・・・・・・・・・・・・」
ん?
どうした?
「あんたたちも食べていいよ」
じゃ、じゃあ食べようかな。
・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
激安スーパーの特売スイカは二度と買うまいと心に誓った。

口直しにケーキを買ってきた。
今度こそちゃんとしたお店のちゃんとしたショートケーキ。
「おいしーい!」
母のご機嫌は一瞬でなおった。
よかった。

さんさんさん

せっかくの誕生日だから、お父さんと2人で映画でも見たらどう?
お母さんは何が見たい?
やっぱりミステリー?
ファンタジー?
それとも日本映画?
と相談していると、

「俺はホジュン(韓流)が見たい!」

とオヤジが言うので
「・・・じゃ、別々で見よっか。」
映画デートはナシになった。
「おとうさん、かわいくない!」

オヤジは私と同じで一人でいるのが好きな人間なんだけど・・・。
誕生日くらい空気を読めよ・・・。